(三)-7

 花火は綺麗だった。何よりも、打ち上げられる花火を見るのに、隣に木坂がいるという事実が、嬉しかった。花火の明かりに照らされて嬉しそうにそれを眺める彼女の横顔も印象的だった。

 打ち上げられた花火は八〇発のみですぐに終わってしまった。もっと彼女の横顔を見ていたかった。

 ともあれ、打ち上げが終わってしまったため、俺たちは帰ることにした。

 駅へ向かう道は混雑していた。そのため俺たちは、混雑を避けるためひと駅だけ歩くことにした。なによりも悪友に遭遇し、せっかくの二人だけの時間を冷やかしなどでダメにされるのがイヤだった。


(続く)

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