(三)-2

 その彼女が、声を掛けてきてくれたのだ。俺は内心嬉しかった。

 その木坂が、「月末の花火大会にいかない?」と誘ってきたのだった。

 俺はこのときめちゃくちゃ嬉しくて飛び跳ねたい気持ちになったのだが、それを何とか押し殺し、クールに「いいぜ」と答えた。そしてLINEの連絡先を教えて、夜に連絡くれるように頼んで、俺は部活に出た。

 あまりのうれしさに、その日のレギュラーを賭けた部内紅白戦では五得点を挙げることができ、一年生ながらレギュラーの椅子を手に入れることができた。


(続く)

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