(三)-3
そして月末、荒川沿いの花火大会の日がやってきた。
待ち合わせをしていた行田鉄道の氷田駅に、彼女は浴衣姿で現れた。黒くて長い髪を結ってうなじが見えた。制服で見ていた華奢な体付きは地味な制服姿とは一転して華やかで、彼女をいつも以上に綺麗に感じた。めちゃくちゃ恥ずかしくて、ドキドキして彼女の方を直視できなかった。
混雑する中を、俺たちは会場がある河川敷に向かって歩いていった。
狭い住宅街の路地を出ると、広場のような所に出た。その先は斜面になっていて、そこを降りると荒川の河川敷だった。
(続く)
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