それは、夢っちゅーんや。

 こんな夢を見た。

 ――勤務中に喉が渇いて、屋内の自動販売機に飲料を買いに行った。自販機のすぐ前の床に、小銭が置いてあった。百円玉がひとつと十円玉がいくつか。気になったのは、その小銭がきれいにそろえて積み上げられていたことだ。ハテ。積んであるということは、落としたものではなく、何らかの意図があって積まれているということだ。いったい誰が何の目的で? ……と悩んでいるうちに目が覚めた。――


 ここ1年ばかり、私は夢を見ていない。というより、見たけど覚えていない、のかもしれない。そんな私が先日、久しぶりに見て覚えていた夢がコレ。なんちゅー夢や。ちょっと気になったので、夢占いサイトというものを初めて開いてみた。キーワードを入力して調べるらしい。……夢を思い出し、思いつく言葉を入れてみたら、「小銭」のみヒットした。「あなたは変化を求めているけれど、踏み出すふんぎりがつかないのではないか云々」のようなことが書かれていた。……当たっているのかどうかさっぱりわからない。今の私にはちょっと漠然としすぎているような気がする。結局よくわからない夢であった。


 これまででもっとも怖かった夢は、幼稚園児の頃に見た「真っ暗な中に能面がぽかっと浮いている」というものだった。当時暮らしていた家で、どういうわけか、ある部屋に能面のレプリカが飾られていたのである。3つ。翁と小面と、お多福か何かだったと思う(記憶違いかもしれない)。お多福といっても塗られていないのでけっこう怖い。誤解しないでいただきたいのだが、私は能面をけなしているわけではない。ただ、あの表情は幼稚園児の感性にはかなりショッキングだったということはおわかりいただけようか。初めてその面を見てから1週間ばかり、そんな怖い夢をほぼ毎晩見ては、夜中に目を覚ましていた。翁はともかく、小面とお多福(?)はかなりのインパクトだった。

 おかげで私は、般若や神楽の鬼の面を見てもまったく怖くないという、可愛げのない子どもにすくすくと成長した。どんなに目をいからせて牙を剥き出しても、あの無表情にはかなわないと思ったからだった。鬼の面にはむしろ愛嬌さえ感じる。


 別の意味で怖かった夢は、仕事をするようになってから見た夢。高校生に戻っていて、多くの同級生たちとともに、学校の教室に閉じ込められて出ることができず、教室の中には大量のクマバチやスズメバチが放されているというもの。もうパニックもいいところだ。ホラーもしくはパニック小説になりそうな気もするが、自分で見た夢というものはどうもうまく小説の形にできない。……あらためて思い出してもコワイ。


 奇妙だけれど納得のいった夢。大学生の頃に見たもの。自分の体が石になっていくというものだった。徐々に身動きがとれなくなり、感覚が鈍っていく過程が、ぞっとするほどだった。特に左腕がしびれて石に変わっていくところは、異常なほどリアルだった。リアルすぎて目が覚めた。いつの間にか左腕を体の下敷きにして寝ており、左腕がしびれてしまっていた。この感覚が夢に出てきたということか……。納得はしたけれど、我ながらどーゆー寝相なんだろう。


 皆さんは、奇妙な夢、見たことありますか?

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