第一次地球防衛戦争
Southton-RS07-A1“Entangled”
サウストン防衛産業コンプレックスが製造するスナイパーライフル。所謂「
全体としては狙撃銃としての基本性能を持ちながら、付帯する自給弾薬に粘性散弾としての特性を付与することで、本来天敵であるはずのC型侵略体の大群全体に対し制圧攻撃を行い、更にその行動を粘性物質によって阻害することができる。
強装甲された大型侵略体を主要な仮想敵とする一般的な狙撃銃と比してその威力は劣るが、火力支援の手段に乏しかった戦争中期から後期にかけて、歩兵隊による防衛線維持に多大な貢献をしており、戦後には国連安保理および軍事参謀委員会から重要防衛兵器として表彰を受けている。
標準口径は12.7×99mm NATO弾をベースに±10mm。旧世代兵器から見ればおおよそ対物狙撃銃相当ではあるが、AWW特有の弾薬の弱装傾向に違わず、有効射程および装甲貫徹力はさほどではない。
戦前の旧式兵器が侵略体の金属侵食特性によって尽く無力化され、これまで築き上げてきた兵器技術をほぼ全て放棄せざるを得なくなった中で、捕獲された生体の改造によって製造されたのがAWWの第一世代である。
これらを通して得られた研究蓄積をもとに、新世代兵器の設計開発が世界各地で開始され、その中で今日の
光合成と窒素固定および無機物類の代謝による自律整備・弾薬自給機構が標準搭載されるようになったことから、兵器類の整備・補給は極めて容易なものとなり、また弾薬生成の過程に干渉することで多様な弾種を利用可能となったことがその最たる特徴と言えるが、本兵器はその特徴を活かすことで、独自の戦術的価値の確保に成功した好例であると言えよう。
☆☆☆
「化け物どもしか見えねえや。とんだ戦場に送られたもんだな」
「いつものことだ。何も変わらない。俺たちがやることもな」
「全くだ。……総員構え。狙うまでもない、撃ちまくって全部殺せ」
――――第六次エチオピア高原防衛戦における戦地記録より
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