第2話 狂育学に素養のある同級生
さっきまでは教室内にまばらに着席していたみんなが、1つのテーブルに顔を突き合わせて自己紹介を始める。
なんとなく、誰から話し始めるか牽制し合うような視線の交錯を感じたので、こういう時は、まず私から。
「えーっと、さっき狐狗狸先生から呼ばれてましたけど、改めて。私は
パチパチパチ、とまばらに拍手があがる。
うん、無視したり引いたりしないなんて、やっぱりみんな良い子たちっぽいね。
我ながら良い自己紹介をしたもんだっ。
「えっと、次の人に移る前に、質問タイムしとく?」
一瞬だけ沈黙があって、「次どうしようか?」って感じの空気が流れてたから、私が続けるか提案してみる。
「や、アズちゃんの話を掘り下げる前に皆それぞれが最低限の紹介しといた方がお話が盛り上がるんじゃないかな?」
「あぁ、確かにそうかもね! さすが
「いえいえ、それほどでも〜」
私に反対意見を出してきた彼女は、
肩まで伸ばしたキレイな黒の髪をハーフアップにしてた可愛らしい子。
身長も胸囲も私とかなり近くて、いろいろ親近感も湧いたんだよね。
実は私とは高校2年の頃にクラスメイトになって以来、とっても仲のいい友達なんだ♪
高校の頃は、梟くんにいろんな羽虫がよってきたりしたけど、海夏ちゃんには海夏ちゃんの
まさか大学まで一緒になるとは思ってなかったけど、彼女が一緒だといろいろ心強いねっ。
「じゃあ、次は海夏ちゃんが自己紹介ってことでいいかな?」
海夏ちゃんと他の3人に確認するように尋ねてみると、みんなまだぎこちないながらも穏やかな表情で頷いて返してくれる。
「ほいっ、じゃあ、海夏ちゃん、よろしく!」
「はぁい」
海夏ちゃんは、いつものように緩い声で返事をしてから自己紹介を始めた。
「ウチは
パチパチパチパチパチ。
ちょっ、私のときより拍手大きくない!?
......まぁいっか。海夏ちゃんのも良い自己紹介だったもんねっ!
「えーっと、次は......「じゃあ時計回りにあたしが行こうかな」......よろしく!」
声を上げたのは海夏ちゃんの左隣に座っていた、金髪ロングの巻き髪に緑の瞳がはめ込まれた切れ長の目の女の子。
「あたしは
「「「おぉ〜」」」
パチパチパチパチパチ。
歓声混じりに拍手が広がる。
いいなぁ〜、綺凛那ちゃんはもうお婿さんに来てもらってるんだぁ。
でも私だって後2ヶ月の我慢なんだからっ。
「次は私ですかね?」
順番通りに声を発したのは黒のロングに銀のインナーカラーを入れたキレイな女の子。
「私は
パチパチパチパチパチ。
「あー、他の女の子を視界に入れちゃう癖、わかるな〜」
「わかる。ウチのもすぐ見るんだよね」
「わかるわかる」
「うん、私もすっごくわかる! あれ、ホントやめさせたいよね!」
「あ、やはりみなさんも似た悩みを抱えていらっしゃるんですね......。よかった」
「だね〜。いやぁ、さっそくこんな良い話ができるなんて、嬉しぃなぁ〜♪」
まだまだ自己紹介の途中なのにみんな、彼氏/夫あるあるに共感の声が沢山あがる。
「じゃあ最後は私だねっ。私は
「「「「え〜〜〜〜!!!! もう赤ちゃんいるの〜〜〜〜〜!?!?!?!? 良いなぁぁぁ!!!!!」」」」
「えへへ〜、ブイブイっ! お婿っぴったら、私との子作り、ずっ〜と拒否してたんだけど、なんかいろいろ誤解とかあったみたいで、そのあたり解消したらもう滅茶苦茶に求めてくれてね〜。すぐにデキちゃった♡」
自己紹介、最後の1人は、すでにお腹に生命を宿しているという女の子。
青みがかった黒のロングをポニーテールにしていて、その先をふんわりカールさせてて可愛い。
すっごく優しくて虫も殺せなそうな見た目だけど、多分この子は策士系なんだろうなぁ。
海夏ちゃんとかは多少策士感もあるけど、基本的には天然って感じなのに対して、この子はいろいろ意図的に工作するタイプだと思う。
普段ならこういう子には注意しとかないと、
ってか..................血涙が出るくらい羨ましいよぉ!!!!!!
私も梟くんの赤ちゃん早く産みたい!
はぁ............。
ともかく、この自己紹介でみんなの為人がなんとなくわかったけど..............................。
みんな良い子たちばっかりでよかったっ♪
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