last letter〜君への最後の手紙〜

pepe🍅

第1話


僕の名前は小田 裕人。

学校では友達も普通の人数で、勉強もそこそこの普通の高校生だ。ある点を除いては...

今僕は彼女への最後の手紙を書いている。

これを彼女が読んだとき僕はもうこの町にはいないし日本にも居ないだろう。



××××年4月7日

僕は公立高校へ入学した、

僕の横の席にいたのが田中 ほのかだった。

彼女は僕を見ると笑顔で話しかけてくれた。

僕は彼女のことが好きになった。



1ヶ月後ほのかから告白された。

僕はただただ嬉しかった。もちろん答えはYESだ。

それから僕たちはデートに行ったり、勉強を一緒にしたりと楽しく高校生活を送った。






それから1年後のある日、僕は彼女に別れようといった。彼女は驚いたような顔をしていた。それもそうだ、昨日まで、デートに行ったりしていたし、別に喧嘩なんてしたこともなかったから...

理由を聞かれたが「ない、」と答えた。

ほのかは「そう、わかった!」とあかるくいってみせていたが、目に涙が浮かんでいた。

そんな彼女の顔をみて、少し心が痛くなった。





僕たちは高校3年生になった。

ちょうどその頃から父の仕事先がアメリカになるかもしれないと母と父が話しているのをよく耳にするようになった。


あの日から僕は、ほのかとあまり関わらないようにしていた。理由は、僕にあったらほのかが悲しむのではないかと思ったから。


じゃあ別れなかったら良かったじゃないかと、友達に言われたりしたが、あの時別れなかったら、僕は自分を恨むことになっていただろう。あの時ほのかには理由はないと答えたが実はある。



実はこれが初恋ではない。

中学2年生の夏僕には彼女がいた。今はもういないけど、

僕には、僕が好きになった人と2年以上居ると、好きになった人が不幸な目にあってしまう、という最悪な体質があった。


中学生の時いた彼女は、僕のこの体質のせいで死んでしまった。僕の体質がわかったのはこの後だった。

ほのかとわかれた理由はこれだ。

では、なぜあの時断らなかったか?


僕はあの時嬉しさでその事を忘れてしまっていたし、家に帰って気づいたあとも2年という期限があるから大丈夫だろうという軽い気持ちでいた。今思えば最悪の人間である。




そして今僕は彼女への最後の手紙を書いている。父の仕事先がアメリカに決まったそうだ。彼女には最後まで理由を伝えることが出来なかったし、謝ることもしていない。本当に最悪な人間である。


明日僕はアメリカへと引っ越す。

だから今日手紙を書いて彼女の家に出しに行く。彼女に直接会うのが、怖いから...


色々考えているうちに手紙はできた。

あとは出しに行くだけである。僕はドアを開け、彼女の家へと向かった。



彼女の家の前まで来て、何故か涙が溢れてきた。何故なのか自分でも分からなかった。

涙を強引に拭き取り、ポストへ手紙を出そうとして、

彼女が家から出てきた。彼女はこちらを見ると悲しそうな顔をして、近寄ってきた。



「裕人くん、なんで私を避けていたの?」

やはり気づかれていた。

僕は、少し迷ってから全てを彼女に話した。


彼女は怒ることも、悲しむこともせず、ただ「なんで、話してくれなかったの?」と優しく聞いてきた。

「話しても、信じてくれないかもしれないと思ったし、何よりほのかの悲しむ顔が見たくなかった」と僕は答えた。でも、結局悲しい顔はさせてしまったが。


「裕人くん」


そう言ってほのかが僕の頬へ手を当てた。

「なんで泣いてるの?」


さっき涙は拭ったはずなのに、それなのに、涙は止まらずポロポロと僕の頬をつたって流れていた。


「裕人くん、裕人くんの体質で私が一緒にいられないのは仕方の無いことかもしれない、でも、できることなら伝えて欲しかったな」

とほのかが微笑みながら言った。


そして、「ありがとう、短い時間だったけど楽しい時をくれて、」と言われた。


嗚呼、僕はこんなにも優しい人を信じきれなかったんだと、後悔をした。



僕は、明日アメリカに行くことを伝えた。

彼女は知ってたよといわれた。


やはり彼女にはなんでもおみとうしのようである。


次の日、彼女は見送りに来てくれた。


「裕人くん、これあげる。」

彼女はそう言って小さな箱をくれた。

「開けてもいい?」と僕が聞くと、小さく頷いた。


箱を開けてみると、そこには彼女が大切にしているペンダントが入っていた。

「いいの?これ、ほのかが大事にしているものだろ?」と僕が聞くと、

「いいの、これをつけてくれていたら、また会えるかもしれないから」とほのかが言った。

「わかった」絶対つけておくよ、と僕はほのかに伝えた。



「裕人ーもう行く時間よー」

母の声だ、


僕は急いで身につけていた指輪を取り彼女に渡した

「じゃあこれ、つけておいてよ、僕もほのかを見つけられるかもしれない」

「わかった」とほのかが言った。

「じゃあね、」と僕はほのかに言った。

「またね、」と言われた。


そして、僕は飛行機へと乗った



5年後の夏

僕は日本に帰国し、仕事に着いていた。

「あー、今日も暑いなぁ」

そんな独り言を言いながら家をでる。

いつも通りの朝、駅へと足を進める。

すると、見た事のある女性が見た事のある指輪をつけて通りかかった。

僕は急いで追いかけた。



そして「ほのか!」と叫んだ


女性はびっくりした様子でこちらを見た。

そして、目に涙を浮かべながら笑った。
















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