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ここは冬には雪が降り、積雪も多い。夏は涼しく、空調も暖房があるだけで冷房はない。
この季節は窓を開けて、風が部屋を抜けるのを見るのが好きだ。少し前にコーラの缶で作った風車が、からから回る。
海は近いが、標高のせいなのか湿気はあまり感じない。
窓際に置いた少し長めの机に向かってだらしなく椅子に腰かけると、たまに聞こえる鳥の声と風の抜ける音以外は何も聞こなくなる。
朝のうちは窓枠にあたっていた太陽もそうしているうちに姿を消して、気づくと部屋の反対側から顔をのぞかせるのだった。
そうやって過ぎた時間を憂うこともなく、一日の単位も朧気になりながら時間が過ぎていく。
このままでいいのかと自問することも、ここのところなくなった。
きっとまた、訪れる危機感に苛まれるのだと思う。
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