『押し掛け彼女な僕の後輩』 ひみつのはなし

【後輩の真夜中の独り言】



「……せんぱい」


「せーんぱい。せんぱい。せんぱい。せーんぱいっ」

「ふふっ……。全然起きないや。ぐっすりですね、せんぱい?」

「色々あって、疲れちゃったのかなあ? 一番は、私のワガママのせいだと思うけど……。でも、それを言ったところで、せんぱいは『気にしなくていい』って、笑うんでしょうね」

「そんなあなただからこそ、きっと私は好きになったんだ」


「ねえ、せんぱい」

「私は――あなたのことが好きです」

「昨日までも好きでした。でも、今日、また少し、あなたのことを好きになりました」


「あなたにまた、恋をしました」



「『永遠』や『運命』なんて言葉は、きっとフツーに生きている私達にとっては、大袈裟なんでしょうね」


「私はきっと、あなたの運命の相手じゃない」

「私の想いもきっと、永遠に続くものじゃない」


「……でも、」

「でも……。仮に私の想いが変わってしまっても、今みたいにドキドキしなくなったとしても……。私は何度でも、せんぱいのことを好きになる」

「一つ知る度に、あなたにまた恋をする」

「あなたのことを、好きになる」


「それって多分、『運命』で」

「『永遠』――なんだ」


「ねえ、せんぱい」

「同じ相手に何度も恋ができるって、素敵なことだと思いませんか?」


「私はきっと、何度でもあなたのことを好きになる」

「一つ知る度にまた恋をして、『この人を好きで良かったなあ』って、笑うんだ」


「……だからね、せんぱい」

「私、頑張ります」

「あなたにもっと好きになってもらえるように」

「何度でも恋をしてしまうような、そんな素敵な女の子になれるように」



「……せんぱい」


「大好きですよ」

「明日からも、ずっと……」



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