第13話 雨の日は……
病室に戻りベッドに寝転がってふと見た窓には大きな水滴がぽつぽつと付いていて外は雨が降っていることに気がついた。私はため息を吐き彼にメールを送った。
【今日は雨だね。陽斗くんは雨好き?】
こんな簡単なメールを送り私は返信が来るまで雨で濡れる窓をじっと見ていた。するとピロンと軽やかな電子音が響いた。
【雨は好きだよ。煌は雨は好き?】
そんな事がメールに書かれていた。私は自分の背中にあるまだ小さな羽に触れてからカチカチと返信を打った。
【雨は嫌い。この世界に取り残されたみたいに感じるから。】
「それに羽が濡れるから……なんて言えるわけないけど。」
小さく呟いたあとメールを返しため息を吐いた。
腕に繋がれた管もこの部屋に鳴り響く機械音も雨のせいで余計に煩く感じる。私はもう一度ため息を吐きそっと目を瞑った。このまま二度と目が覚めなかったらどれほど楽だろうか……
あぁでも…陽斗くんと話せなくなるのは少し……嫌だなぁ……あと何回私は朝日を見れるのか……あと何回陽斗くんの姿をこの目に焼き付けることが出来るのだろうか……そんな事を考えながら私は微かに聞こえる雨の音を聴きながら深い眠りに落ちていった。
命が尽きるその時まで貴方に恋をします 華柏(こはく) @kohaku_1105
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