第8話 妹……?


ガチャリと家のドアが開き私は少し緊張した表情を浮かべながら「ただいま」と呟いた。

すると母さん達は笑みを浮かべながら「「おかえり煌。」」と返事をした。その言葉が私は嬉しかった。3人でリビングへ向かえば見慣れない人影があることに気づき私は目を見開いた。


「……誰?」


「えっと……わ……私彩波いろはって言います……!」


「彩波……?母さんこの子誰?」


「この子は貴女の妹になった子よ煌。」母さんから告げられた言葉に私は目を見開いた。その言葉は私を動揺させるのに効果は抜群だった。


「……そう。母さん父さんごめん私少し疲れたから部屋に行きたいんだけど……」


「そうだな。荷物も運ばないとだから連れて行くよ。」


「ありがとう父さん。」


「どういたしまして。彩波は後で煌に挨拶な。」 父さんのその言葉を聞きながら私は自分の部屋へと向かった。




「ここが煌の部屋な。彩波の隣の部屋になってるから」


「ありがとう。じゃあご飯まで部屋で本読んだりしてるから。」


「リビングに行かないのかい?」


「……知らない子が居るし。」


「……そっか分かった。後で呼びに来るよ。」

父さんのその言葉に私は頷きまとめられていた本を何冊か取り出しベッドに座りながら読んでいた。



数時間後、コンコンと数回のノックが聞こえたあとカチャリとドアが開けられ彩波が顔を出した。彩波は「お……お姉ちゃん。ご飯だよ。」と告げてきた。私はため息を吐き「……勝手に開けないで。」と告げ、ドアを引き廊下へ出た。


「あと私の事はほっといていいから。姉だなんて思わなくていい。もう帰ってこないから」


「で……でも……」


shut up!黙れ


「っえ……?」


「何も事情を知らないくせに……心配なんかいらない。もう部屋にも来ないで。どうせ明日には居なくなるから。」 私はそう告げて彩波の少し悲しげな目と見つめあったあと何も言わずリビングへと降りた。何も知らないくせに。ずっと病院に居る私の気持ちなんて知らないくせに。彩波の事を考えると私は無性に腹が立った。





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