第2話 彩りパレット

_____モノクロの世界。


 ようやっと、三人の死人と一人のが再会を果たした。


 「さて」

 「どこから再構築していくわけ?」


 モノクロのを歩く。


 『取り敢えずさ』

 『作り直してくとか?』


 何処からか聴こえる声は、そう提案する。

 ラムネは、ほうほう。と頷いた。


 「ねぇみんな」

 「これはボクからの提案なんだけどさ。」


 「ん〜?何っス?」


 「何でしょうか?」


 「何。」


 「シャルドーネの本拠地から作り直して行きたいわけ。」


_____


 ケーキ屋シャルドーネ


 嘗てフランギオールという龍の末裔が指揮を取り、栄えていたである。


 確かに、ならここからが良さそうだ。


_____


 「まぁ、賛成だけど……」


 センヘルはパレット片手にボソッと呟く。


 「ラムネ、あんた誰と話してる訳?」

 「確かにどっからか微かに変な声は聞こえるけどさ。」


 「あーね。それ今説明するわけ」

 「あの変な声はね……」


 「ボクとドペ子の師匠。Crysis Xって人。」


_____


 Crysis X


 享年20歳。


 嘗て創世軍団に立ち向かおうとしたが、部下に殺められ創世軍団の手駒として扱われるようになってしまった悲しき女性。


 彼女もである為、どうやらモノクロの世界に来たようだ。


_____


 「まぁ……かなーりえぐい死に方したから、姿見せれるのは何時になるか分からないわけ。」


 「いいよ、その情報だけで満足。」


 センヘルは、なるほど?という感じで首を傾げながら話を聞いていた。


 一方、フェリとサニーは。


_____


 「ねぇ、ケーキ屋シャルドーネってどこにあったッス?」


 「一度対面はしましたが、流石に覚えていないですね……。」


 ふたりは、Crysis Xに託されたを持ちながらブラブラと歩いていた。


 「あ、アスタローシェのふたり。」


 ラムネは、嘗てケーキ屋シャルドーネがあったお菓子屋へと二人、否三人を導く。


 ラムネたちが歩いた先には、確かにお菓子屋の跡地があった。

 空虚に、寂れてしまったお菓子屋さん。


 「じゃあ、三人がいいんなら」

 「ここに復興のかけらぶち刺すよ?」


 「OKっス〜。」


 「大丈夫ですよ。」


 「……任せる。」


 三人の意見を聞き、ラムネはすまし顔をしながら復興のかけらをお菓子屋にさす。


_____


 『良くやったよ、さすが我が弟子だ!』


 パァァァァァ、と光が差し、モノクロの世界にぽつん、と彩りが戻った。


 、復興完了。


 直に、フランギオールやころね、あんみた、ネムも帰ってくるだろう。

 だって、今のシャルドーネは、に戻ったのだから。


_____さて、次は何処を直そうか?

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