魔力・共鳴関連のまとめ(ここまでのネタバレ含む)
流して読んでいるといまいちピンとこない、ラリクエの魔法関連の設定と用語。
改めて解説しますので、理解が不十分だなと思った方は読んでみてください。
■ 魔力
宇宙からやってきた魔王がもたらした、ファンタジーたるエネルギー媒体。
大気中に存在し人類の精神に宿るようになった。
2210年現在、生存している全人類が、多かれ少なかれ体内に宿している。
魔力を宿している人類を
全人類の仇敵となった魔物は魔力を主体として構成された生物である。
■ 魔力適合値(AR値:Adaptation Ratio)
身体(精神)にどの程度魔力が適合しているかを示す値。
精神と魔力の親和性を示す。
多ければ多いほど魔力を精神に蓄えることができる。
簡単に言えば体内の魔力密度のようなもの。
■ 魔力適合状態
魔力は音や光のように振動するエネルギー。
人間の精神も同じく一定の周波がある。
この精神と魔力の周波数が合致している状態を魔力適合状態という。
精神を使って魔力をコントロール(出力)するときはこの適合状態となっている部分を操作する。
すなわち、魔法による瞬間最大出力エネルギーは、理論的に以下の式で表すことができる。
瞬間最大出力エネルギー = AR値(濃度) × 適合状態となっている割合
2章の冒頭で京極が凛花先輩と訓練したのはこの適合状態を増やすためのもの。
こうすることで魔力的なエネルギー効率を高めることができる。
特に何もしなければ適合状態となる割合は人により一定である。
一般にはこの適合状態はコントロールできないと考えられている。
レオンが「特殊な訓練」と言っていたのはその一般解釈である。
■ 魔力の枯渇
魔力を使い果たすと激しい精神疲労(目眩、吐き気、動悸、息切れ等)に見舞われる。
これは精神が魔力と結びついた
身体のエネルギーを使い果たすと不調を来たす(水を失えば脱水症状を起こす)のと同じ理屈。
京極が枯渇しやすいのは適合状態の割合が大きいため。
訓練して魔力を出し切れるようになったがゆえに不足にも陥りやすい。
■ 魔力の補充
空気が密度の低い(気圧の低い)ところへ流れていくように。
魔力も密度の低いところへ自然と流れていく。
身体に宿る魔力を消費して密度が低くなると外部から魔力が自然と侵入する。
これにより魔力が自然回復をしていく。
集魔法はこの自然侵入を促進するために、体内の魔力を寄せて不足部分と充足部分を明確に区分けし、濃度差を作り出す技術。
■ 魔力の共鳴(レゾナンス)
精神の波はとても複雑。
弦楽器の音のように様々な波の重ね合わせ。
単純な矩形波や鋸波のようにはならない。
だから人間同士の精神に宿る魔力の共鳴も条件が複雑。
経験的に発生前提条件は以下3つが必要と言われている。
①物理的距離が近いこと
魔力の流れは電流と同じようにふたつの流れが近くにあると互いに干渉する。
その距離が近いと量子力学のトンネル効果のように認識できないレベルで魔力が行き来する。
この行き来することが第1の条件。
②近くで過ごした時間が長いこと
①の影響をどれだけ受けて来たかということ。
相手からもらった魔力の波は、自分の精神に僅かに干渉する。
これを繰り返すと精神がその波の癖を覚えていく。
すると波の共振が起こりやすくなる。
この癖がつくまで相手の傍にいることが第2の条件となる。
③相手への想いが強いこと
強い感情は魔力の周波を増幅する。
この精神が波打つことで魔力の波も増幅する現象は適合状態で説明できる。
相手への想いは魔力に指向性を持たせるので想い人への影響も強くなる。
特に②により相手の周波に近い波を強く発生させることで、相手はより受け入れやすくなる。
この相手の強い波を受け取ることが第3の条件となる。
すべての条件を満たすと魔力による強い共振が起こる。
いちど発生すると臨界点を超えた核連鎖反応のように増幅され、強い共振が継続する。
これを魔力の共鳴、または単に共鳴(レゾナンス)と呼ぶ。
なお適合状態にある精神は魔力の波に迎合する。
つまり共鳴を起こすと精神は強く揺さぶられる。
この揺さぶりをレゾナンス効果と言う。
京極はこの揺さぶりで全身の神経を刺激されている。
■ 具現化(リアライズ)
魔力を物理現象に変換すること。
魔力は光のように実体のないエネルギー媒体。
電気、磁力、物理的な力の3関係と同様に。
精神、魔力、物理的な力の3関係がある。
強い精神と、強い魔力と、強い物理現象は表裏一体ということである。
電磁力の関係と同様に、精神と魔力の相互関係を利用して具現化(リアライズ)を発生させる。
そのためには強い魔力の流れと精神力が必要になる。
■ 魔法詠唱
詠唱は格好良い!
ファンタジー魔法の核たる部分!
・・・だけれども、このお話では詠唱していたりしなかったりしている。
ラリクエの世界で詠唱は必須ではない。
神や精霊に祈ったりする必要がないからだ。
ただし物理現象へと変換するまでの形式的な手順は存在する。
それには精神を一定のリズムで刻む必要があり、そのために詠唱が存在する。
通常、まず詠唱の句と概念(映像や音、匂い、感触など)を互いに関連付けて覚える。
こうすると詠唱により関連付けたものを想起することができるようになる。
こうして想起させることで精神のリズムを作り魔法を完成させる。
詠唱の呼吸など身体の動きで魔力の流れを作る場合もあるので、無詠唱は相当に慣れないと難しい。
不完全であれば当然に出力は弱くなる。
特定の効果が確認できており、その手順が確立されているものを
■ 固有能力(ネームド・スキル)
その独特の能力を固有能力(ネームド・スキル)と呼ぶ。
なぜその人だけにしか使えないのかは解明されていない。
その発現は
実は通常の
ただし慣れないうちは不安定であることが多いため、発現を繰り返して慣らしてやる必要がある。
通常、覚醒は生存本能の刺激によって引き起こされるとされる。
すなわち死に瀕した状況や状態であることが前提条件となる。
世界戦線の黎明期には、そのために命を落とす者が大勢いた。
アトランティスの探索が進むと代替手段のアーティファクト『深淵の瞳』が発見される。
安全かつ迅速な覚醒方法として世界戦線の戦士育成の場で利用が推奨されるようになった。
高天原学園、キャメロット、トゥランには優先的に配備されている。
■ 魔力の属性
本来、魔力には属性がない。
だが人類に宿る魔力には属性がつく。
作中でも触れているように、属性は魔力の特定の波長。
光の波長と似た概念である。
火、水、風、土の4属性は人が取り込んだときに見られる波長のこと。
その名前のとおり、それぞれの概念に親和性があることが確認されている。
人間に浸透膜のようなものがあり、魔力を取り込む際に特定の波長のみを受け入れると考えられている。
白属性は波長を遮らず、魔力をそのまま受け入れる。
なお、光の干渉が発生するように魔力同士も干渉する。
このため対立属性とされる火と水、風と土の
ちなみに対立属性の人同士であっても共鳴可能である。
他にもありますが、物語で登場した内容ではここまで。
また解説したほうが良さそうなことがあれば、どこかの章末でやります。
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