残った一部


───


ゆらゆら揺れるかごの中

覚束ない足元にあったのは、キラキラ輝く宝物


欲しくて拾ったその手には

鋭いトゲが刺さってた


身を守る唯一のものが、そのトゲだと言うのなら

私はそのトゲを覆うベールになりましょう


例えそのトゲに身を裂かれようとも

残った一部で守ってみせる


トゲのない綺麗な姿を、見せてくれるその日まで



ギラギラ射すような日差しの中

眩しさに目がくらんだ瞬間、落ちてきた鍵


それはどこにも合わなくて

だったらいらないと、投げ捨てた


だけどそれは未来に続くドアの鍵

慌てて探してみたけれど

もうどこにも無かったんだ


その鍵が必要だと、貴方が言うのなら

どこまででも探しにいきましょう


例え迷ってしまっても

きっといつか帰ると誓う



例えこの腕無くそうと

残った一部で守ってみせる


貴方が本当の笑顔を取り戻すその日まで



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