第57話 B・サイド

 稲妻の如く轟き、閃光のように眩く。そうしてブリッツは上位人の波を蹴散らし、コッカイギジドー目前まで迫っていた。


「雑魚ばっかなのかー!? それとも、あたしが最強すぎて強い神も一瞬で殺しちゃったのかな?」


 彼女の通る道には赤い残光が残り、その残光の周りにいる上位人は感電死しないギリギリの雷を喰らい気絶している。


 そうしてコッカイギジドー前の広場に着くぞといったその時だった。


「あたいも混ぜてくれよ!」


 突如として現れた片腕の女性がブリッツへ殴りかかる。


 ブリッツはその拳をカイトシールドで防ぎ、跳ね除けて赤い直剣を構える。


「僕もいるぞ」


 空中に浮かんだ青い半透明のパネルを操作しながら、眼鏡をかける両半身共に金属のおかっぱも現れた。


「お前らはッ! タイガに……、誰だっけ?」


 ブリッツは眼鏡のおかっぱの方を見てキョトンとしている。その様子を見て、タイガは腹を抱えて笑った。


「お前名前覚えられてねぇじゃん! 『チンパン』!」


 チンパンと呼ばれる眼鏡おかっぱは、少し不機嫌に宙に浮いた青い半透明のパネルをいじる。


「君の戦闘力はあの時に計測済みだ。ロボットのもな!」


 チンパンはパネルを叩くように押す。

 すると直後、薄緑のガラス板のようなものが大量に出現する。彼はそれらを手足のように動かした。

 次々と薄緑のガラス板は周囲を覆っていき、やがて1つの特設リングへと変わった。


「なるほどね。そんな事してもあたしは逃げないのに〜」


 ブリッツは直剣に赤い稲妻を纏わせ、タイガとチンパンを睨む。


「さて、試合開始だなブリッツ!!」

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