第43話 セレクション
ズリズリ―――
「ス…ウ……」
ゆさゆさ―――
「スノ……ッ!」
「スノウッ!」
私は誰かに呼ばれる声に起こされた。頭や身体、右目に激痛が襲いながらも、左目をゆっくりと開く。
眩い光と私の顔を除く男が左目に刺さった。
「
瞳を僅かに濡らし、安堵したような表情を見せたのは
「何言ってるんだよスノウ、俺だよ、フラムだよ!」
「兄ちゃん、恐らく嬢ちゃんは軽い錯乱状態だ。こいつを貸してやるから打ち込んでみ」
サルの衣装を着たままの
「なんだよこれ!」
「鎮痛効果と精神安定効果のある薬品が入ってるもんだよ、黙って打ち込んでやりな」
「嬢ちゃん、すぐに効いてくるから、一旦落ち着いて状況を整理するんだ」
私の身体は、
現状の整理だ。
私は
まるで本当に小説の世界に入っているかのような臨場感と緊張があり、話している
「とりあえず、あなた達は
私は2人に問いかけた。すると2人は顔を見合せた後に、目を丸くして私を見てきた。
「ええと、俺はサルだぞ。兄ちゃんの名前はフラム、兄ちゃんの方が嬢ちゃんと長く一緒にいるから分かるんじゃないのか?」
信じられないが、どうやら私は本当に『beat down』の世界にいるようだ。
「自分の名前は分かるか?」
私はこの世界で、元狩人の半上位人であるスノウとして生きるか、それとも女優で普通の人間である
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