第24話 エスケープ

 ドレッドノートはおかっぱ眼鏡を標的に銃火器を放つ。しかし、おかっぱ眼鏡は薄緑色のガラス板のようなもので自分を囲んだ。

 

「どうだい! 僕が開発した『プロテスシールド』!」


 ドレッドノートはおかっぱ眼鏡に攻撃の効果が薄いと判断すると、すぐ様標的をフラムの近くにいる3人に変えた。


 ドレッドノートはドスンドスンと、その3人に走っていき、その大きな腕を振るって見せる。


「こんなのぶっ壊してやる!」


 片腕の落ちたタイガが、ドレッドノートの腕を飛び蹴りで防ぐ。


「そのままよろしくね〜」

 

 ブリッツという女はそう呟くと、瞬く間にウェポンの目の前まで迫った。そして静かに直剣を振り、彼を仕留めようとする。

 

「おせえな」


 イヌは、刃渡りが20cmにも満たないナイフでブリッツの刃を止めた。しかしそれだけにとどまらず、イヌは既にブリッツの腹目掛けて拳を突き出していた。


「うぉっ……!」


 イヌの拳を受けたブリッツはすかさず距離をとる。しかし、既にマインが地面に指をさしていた。


「誰だか知らないけどぉ死んじゃぇ!」


 ブリッツは地に足をつけるが何故か地雷は起動せず、ブリッツはキョトンとした顔でマインを見つめる。


「我が殺る」

 

 突っ立っているブリッツを仕留めようと、ウェポンはその分厚いコートの中から1本の赤い剣を取り出し彼女に振る。

 ブリッツはカイトシールドでその剣を受け止め、ウェポンに向けて横一線に直剣を払った。


「甘い」


 ウェポン空いている手で、コートから1本の黄色い剣を出してブリッツの攻撃を止めた。ウェポンとブリッツの力量は僅かにウェポンの方が強く、ブリッツは鍔迫り合いで弾かれてしまった。


「ドレッドノート!」


 ドガンッ!――

 ダダダダダダ――!!

 

 指示を受けたドレッドノートは、タイガの攻撃を無視し、足に装備された大量の銃火器を5人の神に向けてぶっ放し始めた。大砲や機関銃、火炎放射に白リン弾などやりたい放題の暴れようだった。


「『雷歩カレント』」


 ブリッツは足に赤い稲妻を流したと思えば、ドレッドノートに手間取っている神達の懐に瞬く間に移動する。


「からの〜! 『雷閃エリアブラスト』!」


 彼女は、彼らをフラムから離すように、赤い稲妻を纏った直剣で回転斬りを行う。赤く弾ける閃光が、直剣を追って綺麗な円を描く。


 イヌ、ウェポン、マインの3人はたまらず攻撃を避け、フラムから距離を取ってしまう。そこをブリッツは見逃さなかった。


 再びブリッツの足に稲妻が走り、フラムを抱えたと思ったら私の目の前に移動してきた。


「さぁ、逃げるよスノウ、捕まって!」

 状況が飲み込めないまま、私はブリッツの手を取る。



 そこで私は気を失ってしまった。



 

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