エリア10 竜都ドラコエテルニム
エリア危険度:★★★★★
昔々の大昔、この世界に人類が誕生する前の話――――
すべての竜を束ねた竜王エッツェルは、この地に竜の為の巨大な国家を築き上げ、竜による強力な王国を築き上げていた。
ところが、人類という生き物が誕生し、文明をもって間もない頃、彼らが竜の暴虐に耐えかねて呼び寄せた異世界の神々がこの世界に現れ、世界の支配者たる竜に戦いを挑んだ。
神と竜は地形が変わるほどの激戦を繰り広げた末、竜王の横暴を良しとしない竜族たちが、竜王を王国ごと地底に封印することで神と和解することを決定。
その結果、竜王は彼を信奉する竜たちとともに竜都ごと地底の奥深くに封印され、異世界の神々はとある一部を除いて異世界へと帰っていったのだった。
それからさらに数千年後、竜族は各地で自らを信奉する人間たちを束ねていくつもの国家を作っていた。
その中で、諸事情あって守護する竜を失った国家「セントラル」は、豊かな土地と交通の要衝であったことから他国に相次いで侵略され、王家の命運は今にも尽きようとしてした。
王国の最後の姫――マリーシア・ソミェットは、王国に古くから伝わる伝説に一縷の望みをかけ、自ら王城の地下を進み…………代々伝わるペンダントの力で最奥の封印の扉を開け放った。
その封印の先に広がっていた、人知を超えた巨大な建物の数々こそ、伝説の竜都ドラコエテルニム。すなわち、竜王の封じられていた禁忌の地であった。
【主な特産物】竜の鱗、竜の遺骨
【主な施設】巨大遺跡
【リージョン】
0-3:地下遺跡
リージョン危険度:★★★★☆
エリア0の地下遺跡の正体は、かつてこの地にあった王国の王城が丸ごと地の底に沈んだものである。
大昔は王国の要として王侯貴族が暮らしていた巨大な城だったが、当時の戦乱に対応させるために城壁や砦を幾重にも建て増しした結果、城塞そのものが複雑極まりないダンジョンのような構造と化した。
また、あちらこちらで竜の魔力がぶつかり合った影響か、毒ガスや瘴気が充満していたり、酸素が極端に薄かったり、場合によっては魔法が一切使えなくなるエリアや時の流れが急激に早くなるエリアなどがある。
このリージョンの最奥、地下1500メートル以上潜った先に巨大な広間があり、その先には神竜の力がなければ解けない封印が施された巨大な扉がある。
エリア10-1:忘却の古代都市
リージョン危険度:★★★★☆
封印の扉の先は太陽の光が届かない漆黒の闇の中。
しかし、光で照らしてみれば、地下に存在するとは思えない超巨大な石造りの塔のような建物が地平線までずらりと並んでいるのが見える。
これは、かつて竜がそのままの大きさで過ごしていた名残であり、すべてにおいて建物のスケールが人間のそれと比べて数十倍になっている。
巨大な建物の合間を縫うように、人間の文明と同じくらいの幅のある石畳が空中に固定されるように浮かんでいるが、これは人間が竜とともに生活していた際に使っていた通路だとされている。
封印の扉からこのリージョンに入って数百メートル程度の場所に、ひときわ大きいドーム状の建物があり、この場所にはかつて竜王を葬った武器の一つである「神竜の剣」が、重い石棺の中に厳重に保管されている。
・神竜の剣
神竜の背骨を削り出して作ったといわれている伝説の武器。
刃渡り2メートル近くあるかなり大振り長剣で、その剣身は琥珀色に輝いている。
切れ味もさることながら、振るだけで独特の風切り音が発生するが、この音は神竜の叫び声だと言われており、低級の竜はこの音を聞くだけでも屈服するのだとか。
また、所有者には神竜の絶大な加護が与えられ、能力が固定で大幅アップし、人類以外に対して「極めて強い」特効と、受けるダメージを半分以下にカットする特性を付与する。
が、強力な武器だけあって副作用も存在するらしく、使っていると寿命が失われるという言い伝えがある。
現に、かつての大戦では10年程度の戦いで持ち主が5回も変わっており、全員が若くして命を落としている。
エリア10-2:埋もれた宝物庫
リージョン危険度:★★★★★
竜は宝を溜め込む性質があり、倒せば莫大な富が手に入る――――
このような噂があるといえど、実際のところどれだけ富に執着するかは個体によってまちまちである。しかし、強欲な竜となるとその執着はかなりのものとなる。
竜都の一角には古代都市の中でもひときわ巨大な建物があり、その中は非常に複雑なダンジョンであると同時に、かつて竜王の腹心と呼ばれた強力かつ強欲な竜が莫大な宝物を蓄えた宝物庫でもあった。
建物のいたるところに山のような金貨や宝石、貴重なアイテムや武器などがこれでもかというほど蓄えられており、ほんの一部拝借するだけでも一生遊んで暮らせるだけの富を得ることができると言われている。
また、建物を覆うように作られたドームの天井には夜空を象るようにダイヤモンドが贅沢にちりばめられ、建物内には水銀でできた川が流れている。
しかし、かつての所有者の執念はすさまじく、死後数千年の時を経てもその亡骸は侵入者に富を渡すまいと襲い来るだろう。
エリア10-3:忠臣の間
リージョン危険度:★★★★★
古代都市の最奥に位置する城塞のような建物。
どの建物より巨大で広いそれは、まるで王の居城を思わせる雰囲気がある。
この建物の中には、まるで化石博物館のように巨大な竜の骨格や彫像のようなものがずらりと並んでおり、その数はおよそ1000体以上と言われている。
が……当然これらはただの骨格標本や石造なんかではない。
彼らはかつて竜王に仕えていた強力な臣下たちであり、いつか「竜王の時代」が再び来た際に、再び復活できるよう保存されているのである。
また、化石や石像になっておらず、骸のまま徘徊している『厄竜』も存在しており、この場所に人間が足を踏み入れたら最後、生きて戻ることは叶わないだろう。
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