第8話

そして、結婚式をする二人。

沢山の人に、祝福されて式をあげる。

一生に一度の事だけに、勇気はどうしても

千夏の為に、結婚式をしたかった。

沢山の人だが、どうやら千夏は、勇気が

居るので、落ち着いていた。

ウェディングドレス姿の千夏は、一段と

綺麗だった。


「千夏、綺麗だよ!」


「フフフ、勇気キスする?」


「いいよ!」

変わりの無い、この言葉は、千夏の心を

落ち着かせる。

式も無事に、終わり新居に帰る二人。

新居では、千夏が家事を、全部してくれる。


「千夏、仕事はどうする?家の事と

両方じゃ、大変だろう?」


「そんな人は、好きで沢山居るよ!

やれる所迄、やってみるね!」


「そうか?無理するなよ!」


「うん。」

寝室には、ベッドを2つ、置く事にした。

千夏が誰かと、一緒に寝るのは、難しい

と、勇気が判断したからだった。

他から見ると、同居生活に見えるが、あの

千夏が、他人と一緒に生活を、すると言う

事は、大きな意味を持っていた。

それは、勇気が1番理解、していた。


「じゃあ、今日はもう寝よう!」


「うん、おやすみなさい。」


「おやすみ。」


翌朝

千夏は、先に起きて、朝食の準備と

お弁当を2つ、作っていた。


「おはよう。」


「おはよう、千夏、早いな~」


「えっへん!主婦だからね!」


「ハハハ、主婦は、早起きなのか?」


「だって、朝食の用意したり、お弁当を

作ったり、朝は忙しいんだよ!」


「千夏、ありがとう。」


「い~え、これ位は、さぁ、食べましょう。」


「いただきます。」


「いただきます、千夏、美味しいよ!」


「ありがとう、キスする?」


「いいよ!」


「じゃあ、行って来ます。」


「あっ!勇気お弁当。」


「お弁当か~これは、お昼が楽しみだな?」


「フフフ、行ってらっしゃい。」

勇気を、見送って、千夏も仕事に行く。

普段と変わり無く、働く千夏。

仕事の帰りに、買い物をして、夕飯を

作っている。

千夏は悩んでいた。


(いつかは、勇気と一緒に、寝ないと!

勇気に助けて、貰った私の心、勇気なら大丈夫だね!)

そんな事を、考えていた。

勇気は、専門分野なので、結婚しても

無理強いは、しない。

それが、本人にとって、どれ程の負担に

なるかを、分かって、いたからだった。


「ただいま。」


「お帰り。」


「お弁当、美味しかったよ、看護士さん達に

冷やかされたよ!」


「えっ!じゃあ、お弁当止める?」


「ううん、持って行くよ!」


「やった~勇気、ご飯を、先に食べる?」


「うん。」


「どう?仕事は?」


「やっぱり、心の病気の人は、多いいよ、

普通に、みんなが出来る事が、出来ない

時に、自分を責めたり、でも本人にとっては

本当に辛いんだよな、僕は話を聞いて

話す事で、楽になれば少しは、良い方向に

行くと思っているから!」


「勇気は、優しいから、今の心療内科医は

ピッタリだね!」


「ありがとう。」

そして、楽しく食事を、済ませて勇気は

お風呂に入る。

すると、千夏が入って来た。


「千夏、大丈夫?」


「大丈夫だと、思う。」


「う、うん、でも……」


「大丈夫!」


「分かった!」

触れあう事は、無いから普通に、お風呂に

入った。

勇気は、ドキドキしていた。

千夏も、一緒だった。

風呂から出て、テレビを見て、くつろぐ。


「明日も、仕事だし、もう寝るか?」


「そうだね!」

二人は、テレビを消して、寝室に行った。

何時もの様に、別々のベッドで寝る

二人。

千夏は、覚悟を決めて、勇気のベッドに

入る。


「千夏?」


「今日は、横で寝るだけ、ごめんね。」


「いや、いけるよ、寝れるか?」


「うん、多分、大丈夫だからね。」


(うわ~僕が寝れないよ!こんなに

近くに、千夏が居ると!)

そして、少しすると、千夏の寝息が

聞こえた。


(仕事に家事と、疲れてるんだな?)

そう考えている間に、勇気も寝てしまった。

翌朝

千夏は、何時もの様に、早く起きて朝の

用意をする。

目覚めた勇気は


(千夏?あ~もう起きたんだな。)


「おはよう。」


「おはよう、寝れた?」


「うん、寝れたよ!ぐっすりと!」


「それは良かった!千夏、凄いな~」


「フフフ、本当だね!前の私なら無理

だよね、さぁ、食べましょう。」

昔の千夏からは、とても考えられない

事ばかりだった。

勇気の優しさで、本当に心の傷が、

癒されて、いるのだった。

そんな毎日が、順調に過ぎて行く。

そんな、ある夜


「勇気、愛してるよ、エッチする?」

と、千夏が言い出した。


「千夏?好き、キスする?じゃ無いの?」


「好きは、早くに通り越してるよ!」


「エッチは?」


「エッチは、勇気となら、してみたい。」


「いいよ!」

二人は、唇を重ねて、横になる。

千夏は、勇気の顔を、じっと見ている。

相手が、勇気だという、安心感を求めて

いるのだろう。

勇気に、触れられると、千夏は今迄に

無い、感覚が湧き出て来る。

千夏は、エッチが出来た。


「フフフ。」

恥ずかしそうに、する千夏。


「千夏。」

と、言って勇気は、千夏の頭を優しく

撫でる。


(千夏は、だいぶ、努力したんだろうな?

嬉しいけど、今迄以上に、サポートを

しっかり、しないといけないな!)

と、勇気は心に、強く決めた。


翌朝

顔を会わせると、照れ臭そうに、する

千夏。


(可愛いいな~)

と、思う勇気。


「千夏、おはよう。」


「おはよう、今日も、お弁当作ったからね。」


「ありがとう!看護士さん達が、千夏の

お弁当を見るのを、楽しみにしてるんだよ!

人気だぞ!千夏のお弁当は!」


「そうなの?恥ずかしいな!」


「そんな事無いよ!みんな感心してるよ

冷凍食品を使わずに、よく作ってるって

ありがとう、千夏。」


「フフフ、これからも頑張って、作り

ますね。」


「よろしくお願いします。」


「勇気、愛してるよ、エッチする?」


「いいよ!」


「フフフ。」


「ハハハ。」

この時、千夏のお腹に、小さな小さな

命が、宿った事を、まだ知らずに

二人は二人の時間を、大切に過ごして

いた。

子供が出来れば、なお、大切に時間を

過ごして行くだろう、この二人なら。


「勇気、キスする?」


「いいよ!」


その言葉と、共に。

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「キスする?」本当の意味は? aki @nyontyun

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