第7話

日曜日は唯一、勇気とデートの日


「お~い。」


「勇気、待った?」


「お~凄く待ったわ!」


「嘘ばっかり!今が待ち合わせの

時間だよ!」


「ハハハハ、今日の千夏は、元気だな?」


「そう?じゃあキスする?」


「いいよ!」


「学校の方は、どう?」


「うん、順調だよ!千夏は、仕事は

慣れた?」


「うん、必要以外は、話しなくても

いいから私には、合ってると思うよ!」


「それなら良かった~」

歩いて花をする二人。

すると千夏が、腕を組んで来た。


(えっ!)


「いけた、大丈夫だ!」


「千夏、大丈夫なのか?」


「うん、勇気なら大丈夫!」

と、笑顔で答える。


「千夏、何か良い事が有った?」


「えっ?どうして?」


「今日は、一段と笑顔が、可愛いいから!」


「何よ!それ!あのね?お母さんが

あの事を、謝ってくれたの!私はあれ以来

自分が、凄く汚れた様に思って、お母さんに

避けられてると、思ってたから嬉しかった!」


「そうだな?やっぱり話さないと

分からない事って、有るからな!

良かったな!」


(おばさん、頑張ったんだな!)

そうして、卒業しても二人の交際は、

順調だった。

6年が過ぎ、やっと勇気は卒業して

心療内科医として、勤務する事に

なった。

現場は、やはり想像以上に、心の病の方が

多かった。

勇気は、1人、1人が全部、違う病で

しっかりカウンセリングをして、少し

でも、その苦痛を和らげる様に、努力

した。

今は指名が、出来るので、勇気の時は

直ぐに埋まってしまう。

心の病は、直ぐには良くならず、治らない

ケースが多いい。

上手に付き合って、行くしか無い場合が

ほとんどだった。

その負担を、少しでも軽くするのが、

自分の役目だと、勇気は思っている。

そして、仕事にも慣れ、私生活にも

余裕が出来た、勇気。

ただ、忙しいのには、変わりは無かった。

そんな、ある日

勇気と千夏は、食事に出掛けた。

勇気のスーツのポケットには、小さな

箱が入っている。


「千夏もう、25歳になるな?」


「そうだね?早いね~」


「結婚に付いては、どう思ってる?」


「私に、結婚何て、出来るかな?」


「井上千夏さん、僕と結婚して下さい!」

そして、勇気はポケットから、小さな箱を

出して、開ける。

指輪が、入っていた。


「えっ!勇気!」


「仕事に慣れて、落ち着いたらプロポーズを

しようと、決めてたんだ!今、少し落ち着いたから!」


「私で、いいの?私は又、悲鳴をあげるかも

知れないよ!」


「千夏、僕が何の為に、心療内科医に

なったんだ?千夏を助ける為だろう?

ちゃんと理解、出来るから悲鳴を

あげても、何をしても大丈夫だよ!

この指輪を、付けてくれる?」


「はい!ありがとう、勇気!」

勇気は、指輪を千夏に、付けてあげた。


「まさか、私が結婚出来るなんて!」


「千夏、良く頑張ったね?二人で

暖かい、家庭を作ろう!」


「はい!」


「千夏の、お母さんに挨拶に、行かないと

いけないな?日曜日に行くから、その後に

僕の両親に、会ってよ!」


「はい。」


日曜日


千夏の母に、会う勇気。


「お邪魔します、山崎です。」


「こんにちは、前には、ありがとう

ございます!」


「いえいえ。」


「えっ!二人は知り合い?」


「千夏、この山崎さんが、千夏にちゃんと

謝れって、アドバイスをくれたのよ!」


「今日、お邪魔したのは、千夏さんと

結婚させて下さい!その挨拶です!」


「山崎さんなら、千夏を安心して、嫁がせる

事が、出来ます、よろしくお願いします。」


勇気の両親には、勇気が予め言ってたので

賛成してくれた。

勇気は譲に、千夏は園子に報告をした。

みんなが、喜んでくれた。


まだ幼い時に、傷付いた心と身体。

長年、苦しみ続けた、千夏を

勇気の優しさと、思いやりで

少しずつ、傷が癒されて行った。

変わらないのは


「勇気、キスする?」


「いいよ!」


この言葉だけは、永遠に続くで

あろう。

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