第5話
私の両親は、私が小さい時に離婚してて
小学生の時に、お母さんが再婚したの
その相手が、最低な人で、私が中学の
時に…」
「千夏、もう言わなくて、いいよ!
分かったから!」
勇気は止めた。
千夏に、それ以上は言わせたく無かった
からだった。
「それ以来、男の人と話も、出来なく
なって、ても、やっと普通に、話が
出来る様になって、高校3年で、勇気に
出逢って、初めて男の人を好きになって
でも、身体のどこかを、触られると
拒絶反応を示すみたいで、でも勇気に
キスするのは、大丈夫なの、勇気と
キスしてると、自分が浄化される様な
気がして、ごめんね、ビックリした
でしょう?」
「う、うん、それで、あんなに怯えて
たんだな!」
「うん。」
「千夏、分かった、少しずつ克服して
行こう!僕は今、正直、驚いてる、
でも千夏がした、思いからしたら、
僕の驚きなんか、しれてるよ!
で、その後、そいつは?」
「お母さんに、見付かって出て行った
だから私、お母さんとも、話して無いんだ
あれ以来。」
「千夏、長い間、辛い思いをしたんだな?
大丈夫!僕が必ず、忘れさせてやるから!」
勇気の言葉に、千夏の顔が笑顔に変わった。
「勇気、ありがとう!」
「うん!お菓子を食べようぜ!」
「うん。」
勉強の筈が、その後は雑談になった。
勇気は、わざと、そうした。
千夏の心を、少しでも軽くして
あげたかった、からだった。
二人で、DVDを見たり、とにかく
千夏に笑って欲しかった。
夕方になると
「じゃあ、今日は帰るよ!明日の朝
迎えに来るから!」
「勇気キスする?」
「いいよ!」
唇を重ねる二人。
「じゃあな!」
「じゃあね!」
(何か良い、方法は無いのかな?
でも絶対に忘れる事は、無いよな?
僕が、その嫌な記憶の上に、行かないと!)
翌朝
勇気は、紐を1本持って、千夏を迎えに
行く。
「おはよう。」
「おはよう、行くか?」
「うん。」
「はい、これ!」
と、紐を取り出す。
「どうするの?」
「そっち持って!いきなり手は繋げない
から、この紐を持って、毎日、少しずつ
短く持つ様に、しよう!」
「勇気……」
二人で紐を、持って歩く。
公園に、差し掛かると
「キスする?」
「いいよ!」
そして、又、紐を持って歩く。
毎日、これを繰り返していると、数日後には
紐の余りが無く、手と手が、くっつく。
「千夏、大丈夫?」
「うん、何とか。」
「しんどくなったら言えよ!」
「うん。」
学校迄、無事に着いた。
「いけたな?」
「うん、来れたね!」
「やったな!」
「うん、勇気ありがとう!キスする?」
「みんなが、見てるよ!」
「フフフ。」
嬉しそうな千夏だった。
勇気も、嬉しかった。
次の日も、やはり手は繋がす、くっついた
まま、歩く事にした。
焦ると、逆効果に、なりそうだったので
時間を、掛ける事にした。
道中には、必ず
「キスする?」
「いいよ!」
が、有ったのだった。
園子は、そんな二人の姿を、心配で
ずっと見守っていた。
(山崎君なら、大丈夫だ!)
そう思った。
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