第4話

翌朝

千夏を迎えに行く勇気。


「おはよう。」


「おはよう、行くか?」


「うん。」

少し歩くと、何時もの様に


「キスする?」


「いいよ!」

唇を重ねる。

今度は勇気が


「千夏、手を繋ぐ?」

と、わざと聞いてみた。


「手は、いいや!」


(やっぱり、何かが、変なんだよな?)


「普通、キスより先に、手を繋いだり

組んだり、するのが先だろう?」


「普通はね……」

勇気は、それ以上、聞くのを止めた。

千夏の苦しそうな、顔を見たからだった。


(何か有る、絶対に!)


「千夏、最近は1人カラオケは行ってる?」


「あ~そういや、勇気と付き合い出して

行って無いや。」


「ストレスが、少しは減ったかな?」


「そうかも、ありがとう勇気!」


「僕は、何もしてないよ!」

又、何時もの千夏に、戻ってる。

学校でも、休憩時間は何時ものメンバーで

テレビの話をしたり、音楽の話をしている。

そして


「勇気、明日も家で、勉強する?」


「いいよ!何時?」


「じゃあ、10時からに、する?」


「じゃあ、その時間に行くよ!」


翌日


「お邪魔します。」


「誰も居ないから、どうぞ!」


「はいよ!」


「コーラで、いい?」


「うん!」

コーラと、お菓子を持って来る千夏。


「さぁ、食べて!」


「千夏、勉強が先だろう?」


「まぁ、そう言わずに、少しだけ食べて

勉強しよう!」


「よし、いただきます。」


「どうぞ、召し上がれ。」


「ハハハハ。」

お菓子を食べる二人。

すると、千夏が


「キスする?」

と、聞いて来た。


「あのな~俺も思春期の男だぞ!

おそうぞ!」

と、千夏の肩に、手を置いた時


「キャー。」

千夏は部屋の隅に逃げて、震えている。


「千夏、冗談だよ、冗談!からかった

だけだから!」

近くに行くと、ガタガタ震えている。


「千夏、大丈夫?」

首肯くものの、震えは止まらない。

勇気は、黙って見守っていた。

時間が過ぎると、落ち着いて来た。

勇気は、思いきって、千夏に聞いた。


「千夏、何か有った?この前のハンカチと

いい、変だぞ、何時もの千夏と、違う様に

なってしまって、何が有ったの?僕にも

言えないのか?」


「勇気………」

千夏の目に、涙が


「無理なら、言わなくて、いいよ!千夏が

苦しいなら、でも、どうにかしないと

いけないなら、僕は千夏の力に、なりたい

から!」


「勇気、ありがとう、でも聞くと勇気が

私の事を、嫌いになっちゃう、それが

今、1番恐いの、だから………」


「でも、黙って ても、このままじゃ

駄目なのは、千夏も分かってるんだろう?」


「うん。」


「じゃあ、言ってみな、僕に出来る事を

するから!約束するよ!」


「本当?」


「うん、本当だよ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る