第36話 トワイライト・ウォーク

ひょんなことから、夏休みの宿題で絵を提出することになってしまった。


「もう日が暮れてきたねー。」

「帰ろ帰ろー。」


由和ちゃんと別れて、家まで歩いて帰ることにした。日本の空気が新鮮だった。徐々に夕焼けから紺色に暗くなってきて、夏なのに、この時間は歩きやすい。


「そういえば、今日、ギター弾いてなかったな!」

自分で自分に驚いた。世界がどんどん広がっていく。家に帰ったら、早くギターを触らないと。好きでやっていたギターも、宿題みたいになっていたことに気付いた。


(学生の本分は勉強だって聞いたことがあるけど、私の本分はギターなんだな。)

と、思った。でも、せっかくだから楽しくギターを弾きたい。そして、弾き続けたい。


目の前を子供達がきゃっきゃと話しながら通っていく。どこにも変わらない風景だ。

「ユメをここに呼びたいな。それで、ユメとここでユニットを組んで活動したいな。」

突然、私はそう思った。魔法使いの国に戻ったら、ユメに提案してみよう。私は、頭が熱くなるのを感じた。

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