第35話 動物園

由和ちゃんと会っていない間も、宿題の影はつきまとう。

入ってみるまで、こんなに厳しい学校だとは知らなかった。

今日も朝起きると、宿題表を眺める。宿題表の中に、

「曲の制作 or 絵を描く」

という文字を発見。当然、曲の制作だな、と思った。

LINEを開けると、由和ちゃんから、

「宿題で絵を描きたいんだけど、一緒に動物園に行かない?」

とのお誘いが。私は絵を描かないと思うけど、動物園はぜひ行きたいと返事をした。由和ちゃんの絵を、見たことなかったな。楽しみだ。


「今日、空いてる?今日、行っちゃわない?」

とLINE。急遽、2人で動物園デートをすることに。


11時に、動物園の前で集合した。私も由和ちゃんもノーメイクで、部屋着みたいな服装だ。ここまでだらりとした状態で会える友達は、長続きするだろうなと思った。私は自分で握ったおにぎりを持ってきた。由和ちゃんは、コンビニで適当に買ってきていた。動物園の中のベンチで、2人仲良くお昼を食べる。


その後、由和ちゃんは動物の絵を描き始めた。結構上手い。勉強もできるのに、なんでも器用にできるのね。私は最初は眺めていたけれど、だんだんと私も絵を描きたくなって、由和ちゃんに紙と鉛筆を借りて、私も描き始めた。下手だけど、なかなか楽しい。あっという間に夕方になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る