第34話 読書感想文

読書感想文って、こんなに難しいものだったのか。私は、宿題を目の前に、早くも挫折しかかっていた。


「由和ちゃん、読書感想文、終わった?」

「一応、終わったよ。」

由和ちゃんとLINEのやり取りをする。とりあえず、最初の1文を書かなくては。

「自分が一番感じたことを、そのまま書けばいいんだよ。」

自分が一番感じたことは・・・。私が借りた本は、音楽業界の入門書だ。感じたことは、このまま頑張っていれば、何かしら音楽業界の仕事に就けるかもしれないということだ。1日の単発の、イベントの設営のバイトでもいいと思っているからだ。

「夢や希望が持てた!それを書いてみればいいんだね。」

由和ちゃんから、

「応援してるよ」

のスタンプが来た。丸1日かけて、私はなんとか読書感想文を書き切った。あとは明日の朝、最後にもう1回読んで完成だ。

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