第26話 久々の桃田高校!

朝起きて、卵を割り、半熟の目玉焼きを作る。

カリカリのトーストは少し焦げてしまったけれど、気にせず目玉焼きをのせる。

ナイフとフォークで目玉焼きごとトーストを切ると・・・

黄身がパンに絡まって最高なのだ!


「あら、モモ、おはよう。」

「おはよう。」

「あなた、朝ごはんなんて自分で用意したことなかったじゃない。珍しいわね。」

「日本の食事最高だわー!これ、絶対帰ったら食べたかったから。」

「むしろ、アメリカの食事だと思うけど・・・」

怪訝な顔で見られて、自分はアメリカに留学していたことになっていたのを思い出す。とりあえずスルーしてやり過ごす。

「お母さん、今日高校で宿題やろうと思うんだけど、昼食代ちょうだい。」

「うちにある冷凍食品を温めてお弁当箱に入れて行きなさい。」

確かにそれもそうだ。大人しく従って、家を出た。


「モモちゃん!おっはよ!」

高校に行く途中に、隣の席の由和ちゃんに声をかけられた。

「おはよう~!」

私はギターばっかり弾いてて、由和ちゃんとほとんど話したことがなかったけれど、由和ちゃんはとてもフレンドリーに接してくれる。ありがたいし、少し後ろめたい。

「由和ちゃん、どんな宿題出てる?」

「やっぱり、うちらは芸能高校だから勉強系の宿題は少ないんだけど、読書感想文とか、自由研究とか、ボランティア活動とかかな。」

「私も、そんな感じ!」

留学していたから特別な宿題が出ているかと思ったが、同じような宿題が出ているみたい。


「と、いうことは・・・」

「一緒に宿題やろ!」


夏休み、のんびり過ごそうと思っていたが、そんなに甘くはないようだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る