第25話 実家

私は、カレーライスを食べると、久しぶりに湯船に浸かった。

「き~もちい~い!」

思わず叫ぶと、外から両親の笑い声が聞こえた。

だって、魔法使いの国では、魔法であっという間に身体がピカピカになるし、洋服だっていくらでも着替えられる。


私は、人間界の実体を伴った生活が、とても懐かしいと感じていた。

お風呂で鼻歌を歌ったり、明日からどういう風に夏休みを過ごそうか考えたりしているうちに、すっかりのぼせてしまった。だって、今は8月、夏なのだから。


母も、

「モモ、お風呂長いけど大丈夫?」

と、心配して浴室に様子を見に来た。

「あ、大丈夫、だいぶのぼせてるけど。」

「あらやだ。早く上がりなさい。」

「はーい。」


その後、私はベッドでぐっすり眠った。やっぱり、私の部屋のベッドが一番眠れるな。私は強がって考えないようにしていたけれど、家の生活をとても懐かしく感じ始めていた。夢をいくつか見て、また深い眠りに落ちた。

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