第21話 神谷先生

私は、魔法使いの世界での下宿ライフを満喫し始めていた。

ギターの腕も上がった気がする。子供たちは可愛いし、言葉も少しずつ覚え始めていた。そんなある日、モニカさんのお家に帰ると、懐かしい人がいた。


「神谷先生!」

「今日は、学校での定期考査の代わりに、面接試験を行うわよ。」

「え?どういうことですか?」

「あなたは、桃田高校の試験、全く受けていないじゃない。」

「だって・・・通えてないからしょうがないじゃないですか。」

「だから、代わりに面接試験をやると言っているの。」

「え~!!!」

モニカさんが、

「大丈夫よ。」

と言って微笑んでいる。いや、大丈夫じゃない。だって私は、ただ好きなことをしているだけだったから。すぐにそれがバレるだろう。


「とりあえず、進路指導室に行きましょう。そこで面接をするわ。」

「・・・。」

いつの間にか、ドアが目の前にあり、隙間から光が漏れている。神谷先生がドアを開ける。私は観念して、神谷先生とともに、ドアの向こうへ一歩踏み出した。

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