第20話 結果発表

「それでは、結果発表です!優勝は・・・」


私たちとは違う参加者が優勝した。でも、納得している。その人たちは素晴らしいパフォーマンスをしていた。

他にも次々と結果が発表され、私は今日のお夕飯は何かな、などと考えていた。すると・・・


「国際交流賞、『ノイズキャンセラー』!」


「え!?え!?」

ユメと私は、驚き、動揺し、そのあとすぐに、また涙が出て来た。

「やったー!」

周りの人たちが拍手をしている。観客席から、

「良かったよー!」

と、日本語が聞こえてきた。


賞金は二人で半分ずつ分けて、私の分はモニカさんに渡そうとした。

するとモニカさんは、

「これは大事なお金だから、あなたがちゃんと持っていなさい。たまにはお昼にレストランやカフェに入って。それにこのお金があれば、ちょっとした買い物や単発の習い事も出来るわよ。」

お金は大事にね、とモニカさんは微笑んだ。


その後、ちょっとしたハプニングが起こった。例のテレビ局が、私たちの参加したコンクールの特集をして、ノイキャンも紹介された。そこから、

「文化祭や学校のイベントで、ノイズキャンセラーにライブをお願いしたい。」

と、語学校や高校、大学からライブの依頼が来てしまったのだ。

私もユメも、嬉しい気持ちでいっぱいになった。そしてスケジュールが合えば、出張ライブを行うことにした。

もし、今私が人間界にいたら、こんなに社会と関われていなかったと思う。

「私、意外にコミュ力あるんじゃん。」

と、ふっとつぶやいた。


モニカさんに生活費を入れているものの、少しずつ貯金も出来てきた。そして、この世界に来てから、4か月が経った。

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