第17話 ユメ
私は路上ライブの翌日に、一人旅をすることにした(一人と一匹だった)。ひたすら一つの方角に向かって歩いて、あまり知られていない私だけの名所を見つけることにした。すると!私が大きいと思っていた町だったが、あっという間に町の境に来てしまった。隣町は、植物で町中があふれていた。植物園のように、あたり一面が植物なのだ。お店にはたくさん植物が売られていた。散々悩んで、観葉植物のような植物をゲット。その後、いつものように屋台でお昼を食べ(麺だった)、モニカさんの家に戻った。わずか3時間ほどの一人旅だった。
モニカさんの家に帰ると、部屋に植物を飾った。植物からは、きらきらと光が出ていた。これも、魔法の力・・・?モニカさんは、部屋で仕事をしている。リタちゃんキラくんも学校だし・・・私は、同世代の友達が欲しいなと思った。さて、どうやってみつけようか?
「リバー、私も学校に行ってみたい!」
「いつかそう言うと思っていたよ。」
リバーに案内されて、私は川野先生の教える高校へ。思ったよりご近所だった。ここの世界は、裏道が多い。高校には、私くらいの年の子たちがたくさんいた。制服なのか、みんなマントをかぶっている。高校の正門では、守衛さんが見張っている。どうやら入れなさそうだと気付くのに、そう時間はかからなかった。
「いいなあ。みんな、学校に行けて。」
・・・あれ?そんなことを言ったのは、生まれて初めてだ。私は、ギターさえあればいいと思っていた。高校もめんどくさかったし・・・でも、今は、通っていた高校が懐かしいし、早くみんなに会いたい。
「リバー、私、元の世界に帰りたいな。」
「モモ、まだ一か月くらいしか経っていないよ。ここには1年ほど滞在してもらうと決まっているから。」
「そっかあ・・・」
「でも、大丈夫。ワタクシが、とっておきの生徒を紹介してあげる。みんながそろそろ下校するから、ここで待たせてもらおう。」
守衛さんに許可をもらって、「とっておきの生徒」を待つことにした。授業終了のチャイムが鳴る(ここにもチャイムってあるんだね)。しばらくして、続々と生徒が出て来た。そして・・・
「あれ?リバーじゃん。どうしたの?」
と、ピンク色の髪をした女の子が出て来た。
「この子が、君と友達になりたいんだって。」
「え、それは嬉しいんだけど、どうして私?」
「この子、モモっていうんだけど、同世代の友達が欲しいみたいで。」
「へえ~。よろしくね!それなら、ここの学校に編入すればいいのに!」
「学費をちょっと払えないもので・・・地元の高校を今、休学しているんだ。」
「そうなんだ!ここの子じゃないのね!って、ギター背負ってるんじゃない?」
「うん!」
「私、ドラムやってるんだ。いっしょにセッションしようよ!」
「いいね、楽しそう!」
リバーが紹介してくれたのは、音楽好きな子だった。
「モモ、私はユメ。よろしくね。」
「うん、よろしくね!」
ちなみに、ここに出て来るユメとの会話は、すべて現地語だ。現地語を習得しようと頑張っている私を褒めてほしい。
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