第2話 進路相談

「神谷先生。いい話とは、なんでしょうか。」

「あなたに、いい進路があるのよ。」

神谷先生は、ふわふわの髪を揺らしながら、ほんわかした笑顔でのほほんと言った。

「え、私、まだ高1ですよ。みんなは進路票を適当に書いたって言ってましたけど。」

「あなたには、『今』なの。」

相変わらず笑顔の神谷先生。

よく分からない。だって、高校に3年間通えば、高校の間は、「ギターを弾いて幸せに暮らす」が叶うはずだ。進路はそれからでも・・・


「とにかく、荷物をまとめて、土曜日の朝9時にこの部屋にいらっしゃい。」

「え・・・嫌です。」


「甘ったれるんじゃない!!!!!!」


いきなりの神谷先生の怒号に、私は驚いた。これが神谷先生の本性か。

すぐに神谷先生は元のふわふわモードに戻り、こう言った。

「あなたの様子を、こっそり教室のビデオカメラで撮っていたの。それを、とある場所に送ったら、月島さんにぜひ来て欲しいって。」

・・・私が、スカウト?いや、先生の方から送っているけれど。

「どういうことですか?」

「まあまあ、あなたにとって悪い話じゃないから。正直、この学校でも、あなたには手を焼いているのよ。」

それが本心か・・・。そんなことだろうと思った。


まあ、どんなところか全く聞いていないけれども、学校も困っているし、とりあえず行ってみよう。話はそれからだ。

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