第46話 単純

 あの敗北を思い出しながら進む。場所が分かっているがそこまで座標移動はしない。威圧しながら向かえばいいそんな考えだろう。


 到着する。何もなかった。あっけないと感じる。彼女を見ると権限を一人づつ外していてそして記憶の改竄も行っていた。かなりの人数をしているように見える。

「大体はおわったわ。後はボスと側近を倒すだけだね。側近に関しては消すだけだから何の問題もないね。ボスは少し痛めつけて消すだけだからそこまで気にしなくていいね」


 そして目の前にやって来た。

「私は、戦いを望んではないのだが君が向かってくるのではしょうがない。そして、隣のやつは非常に美しい。私のものにしたい」

「それは無理だ。私には彼しかいないのだから。それ以外はただのゴミよ」

 その言葉を発した次の瞬間ミリア様はボスの隣にいた。そして、一撃を与える。圧倒的なパワーを感じるが何も使っている様子はない。通常でこれほどあるのであればもしいろいろと使ったら彼女はどれだけ強いのだろうか。


 はじかれた敵がゆっくりと立ち上がる。いろいろなクラスを使っているのが分かる。だけど、現在僕の権限はかなり上位となっている。なので複数個を停止させた。彼は僕を見た。あのときとは異なった顔をしている。明確な敵意を感じる。

 しかし、ミリアがその前に立ち止まり数発追撃を行う。血で濡れていく地面。しかし彼女は一切濡れていない。彼の取り巻きは向かってきたが権限がないため僕が葬る。あまりにも強すぎるそれなのにミリアはベクトルが違うように感じる。


 数分で終わった。あっけないものだった。相手は惨めそうに命乞いをしているがミリアは許そうとはしていない。

「君が最後をお願い。私よりも因縁があるでしょ」

「いや、いいです。ミリアさん。この姿を見ているだけでそれだけで十分です」

「そう、だけど油断をしてはいけないぞ。もし、これが強敵だったらすぐにとどめを刺すことを考えなければすぐに敗北を味わうことになる」


「み、ミリア。あぁ、だから強いのか」

 彼の最後はそうだった。


 全てをミリアが解決した。僕は何もすることが出来なかった。こちらに戻るのはゆっくりと帰ることにしたが急にミリアの顔色が変わった。

「まずいことになったわ。アレがくる」

「アレとは」

「私の敵よ。こんなことが起きたのにも全てが納得いくわ。君も一緒に戦わないかい。今は私一人なもので彼がいないのと、この世界には魔力がないのだから私はいつもの能力が使えない」

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