第45話
「ミリア様ようやくこちらに来てくださったのですね」
声がする方向を見るとミリアがいる。瓜二つの彼女は僕を混乱させるがそれが又何か人とは違うことを更に強調している気がする。双子もそう見分けはつかないが今は詳細が見れていたので何も不自由はなかったが今は使えない。もしかしたら双子としか思えない。
「あはは、君面白いね。いろいろなことを考えている。成果を上げたら空席に招待したいよ。最後の席こそ似合いそうだ」
なんとなく言動と格好で見分けをつけているが不安になる。
「どちらが本物か分からなくなっているだね。大丈夫こうすれば分かるから」
右手で素早くミリアのお腹に突き刺した。赤い血が噴き出し地面に落ちていく。
「見てて」
手を離す。ミリアは手で押さえ言葉にならない言葉を発している。地面に染まっていく赤色がみるみる消えていく。
「これが、本物ではない証。分かりやすいわ。だけど、こんなことをしなくても私に聞けば答えてくれるから」
そうしてミリア様は触る。そして、すぐに元に戻った。
「ひどいじゃないですか」
「まあまあ」
「まあ、こんなことをしていないですぐに元凶を抹消しようか」
彼女はそう言った。
「どうやって」
「この世界では存在はクラスとして保存しているんだよね。それを管理しているものから消してそのクラスの存在を消す。少しややこしいことになるけどまあ、多少の誤差なんてどうでもいいわ。私にとっては」
いろいろと彼女は見ているんだろう。その場から動かない。
「私が聞いていた異常に規模がでかいわね。記憶を消したときの整合性を取るのが少しばかり難しいかもしれないわね」
「そうなんですか」
何も分からないので僕はそう言うしかない。とにかく、書き換えを行うには非常に時間がかかりすぎてしまうということだ。しばらくリソースを使いすぎてしまうと他の人にも迷惑をかけてしまうということで殴りに行く。そうまとまった。
そして、僕に権限が渡された。指輪は完全に破壊されどこかに消えた。
「行く前に何か食べるか」
そう彼女は言う。小さなケーキを食べた。
「あはは、そのケーキの中に指輪混ぜたわ」
大丈夫だろうか。問題がないから食べさせたのだろう。そう思うしかない。
そうして僕は因縁がある場所に到着した。すぐだった。使えるものが多いのと思考を並行して動かすことが出来て何もかもが上手くいけるような気がする。そして、なによりもミリア様がいるのが心強い。負ける気はもうしない。
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