第43話 発見
場所はどこだったかを思い出すが地下といわれただけだった。しかし、僕は地下があることなんて全く知らない。生まれてきてから一度たりともいったことはなければ両親からも一度たりとも説明を受けたことなんてない。あの様子だと多分両親も知っていないだろう。
可憐さんなら知っているかもしれないが...
「可憐さん、地下室は知っていますか」
「はい。大まかな場所は知っていますが正確な場所は知りません。蔵の方にあると記録はありますが詳しくは分かりません。そして、私をもっと早く頼って欲しかったです」
「ごめんな、可憐」
それでは、探すとするか。蔵の中を。いろいろな物が置かれているため時間はかかりそうだ。彼女らは家の中でゆっくりと過ごしているだろう。とりあえず蔵にいるからと伝えといたが現在はどんな感じだろうか。仲良くしていてくれたらいいのだけど。
荷物をどかし地面を確認する。それにしても変な物が大量にある。昔の物だろうけど現在は価値があるのだろうか。価値がないのであれば少し処分しても構わないだろうか。
かれこれ数時間が経過した。かりんさんが迎えに来た。
「お昼はいかがいたしましょうか」
「お願いしても構わないか」
「はい。分かりました、すぐに準備致します」
僕は服についた埃を払い自宅に戻る。ユカさんは既に座っていた。今時手作りの料理を食べる人はほとんど居ない。簡単かつおいしい料理がすぐに届く時代なのだから。
彼女が作ってくれたのはカツ丼。材料が高いはずなのに全て本物を使用している。おいしくないはずがない。
「いただきます」
うまい。一口食べただけなのに次の手が動いてしまう。そしてとろけていくカツ。やっぱり彼女が作る料理はおいしいな。
「なにこれ」
彼女は一口食べそうつぶやいた。お口に合わなかったのかなとか思ったが違った。こんなにおいしい物を食べたことがなかったみたいだ。それもそうだろう。材料が高級な物となっているのだから。それに出来合いしか食べたことないだろうし。
しばらくしてまた探し始めた。そして、奥に床が異なる場所を見つけた。どうしても開かない、何かさせそうな物があるが何を差せばいいのだろうか。可憐さんどうしたらいい。
「そうですね。私が試してみます」
しばらく待っているといろいろと表示された。指を触れと書いてあるのが出てきたので触るとぽこっと出てきた。それを開けると中に階段があった。ゆっくり通り見渡す。重厚な扉がある。しかし、可憐さんが開けてくれた。
僕の認証の権限を彼女が使っているので何も僕はしなくてもいい。そして中に入ると生活出来そうな部屋があった。
「シェルターみたいですね」
「シェルター...」
「今は平和ですが少し前は大規模な戦争があったんですよ。ミリア様はそれを見こして作っていたんですね。攻撃されても大丈夫なように」
「それしてもミリアは見つからないな」
「私も詳しくは知りません。データが残っていないので」
階段があり降りていく。2階は重厚な扉があり可憐さんの権限を使用しても開くことはなかった。一回パスをして下の階に降りてみるか。
下の階はかなりしっかりとした部屋があった。水回りの物もある。さっきの部屋は液やソファそして簡易的な物だったがここはしっかりとしている。ここで過ごせといわれても何の不自由もしないだろう。まだ地下があるみたいで階段があった。
地下3階に到着した。認証をパスし入るといろいろな物が置いてある。食料品から日常生活で必要になる物全てが。食材には消費期限が欠いてなかったがこの場所だけ何故か時間がほとんど動いていないような感じがあった。あまり心地がいい場所ではない。次に進もう。
地下4階に到着した。ここはさっきの部屋で感じた不快感はないけど大きな機械があった。酸素維持装置や水精製装置などをはじめ発電機などもある。最低限の暮らしが確保出来るように。
そして、次に地下5階。ここは入るのにかなり苦労したみたいだけど部屋の半分が透明な物で区切られており入ることが出来そうにない。そこは、真っ白な床で壁も白一色の異様な部屋だった。
そして入れる場所は燃料などのタンクが占有していた。
そして、ここが最下層となっていた。これ以上地下はないみたいだ。怪しいとしたらここの半分か2階だろう。ここの半分はどうしても入れそうにない。そして、入ったところで何も起きそうにはなさそうだ。1番あるのは2階だろう。
2階に到着した。大きな壁があり入れそうにはない。詳しい情報を取得してみるが何も得ることが出来なかった。しかしながら指輪が痛む。そのまま壁に触った。無意識だった。噛みちぎられるような痛みが走り血が周りに飛び散った。すると扉が開いた。
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