第42話 帰宅
移動手段として今回は彼女に送ってもらうことにした。申し訳ないが一人で帰るわけにはいかないだろう。本家は僕の自宅ということだから。少しばかり遠い気がする。それにここは北陸だ。南にある県なのでこの昔ながらの車であるのであれば数日かかる可能性があるだろう。
僕は数日間眠っていたようだし彼女がわざわざここにやって来て更にここからまだ走るのは精神的にも大変だろう。それなのにもかかわらずそうしてくれている。
「かりんさんごめんなさい。こんなにもいろいろとお願いをしてしまって」
「いいえ、これが私の使命ですから。あなた様にお願いされたら私はその通りに行動するだけですから。私は何も求めませんから」
「なんだか申し訳ないです。そして、疲れたら休憩して構いません。僕はあなたが倒れるのが一番の心配ですから。そして、僕も休憩もしたいですからね」
「お気遣いありがとうございます」
彼女はそう言っていた。忠誠心があるのはいいが自分を大切にして欲しい。それにしても彼女の家系の中には何があるのだろうか。僕はいつかミリアにあったらこの話を聞くということを覚えてこう。
そうして日本海側を走っていた。綺麗に整備されているがほとんど車は走っていない。上空は多く走行しているけども。
キラキラと光っていた海が赤くなり日が沈む。そうして真っ暗な中を走っていた。
「少し、用心した方がいいかもしれない」
可憐さんがそうつぶやく。比較的軽めなクラスを使用し何かいないかを確認することにした。何かないだろうか。そうしながららも暗くなっていく。
車の中で眠ってしまった。気がつくと3時ぐらいになっていた。
「おはようございます」
「ごめん。眠ってしまった」
何か反応があって起きたがすぐに消えてしまったようだ
「かりんさん。大変じゃないですか。休憩取りませんか」
「そうですね。かなり走っていましたし」
そうして休憩をした。しばらくして走り始め街中を走る。変わらない風景は少しばかり飽きてしまったがそれ以上に彼女の方が飽きているだろう。
そして明け方頃九州に戻ってきた。ここまで来たらほぼ覚えている。僕が運転するのもありだがこのタイプの車は乗ったことがないため僕は操ることは出来ないので結局断念した。昔の車は難しいなと思いつつ自宅に到着した。僕の家は広いため車を止めることなんて容易だ。
そうして帰宅した。両親は現在外出しているみたいでゆかさんは一人だけだった。彼女は、かりんさんを見て
「君は、あなたとどんな関係で...」
今から地獄のような時間が流れそうだ。
誤解を解くのに時間はかかったがそこまで派手なことに花からなかった。この後は解放するだけだ。
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