第32話 1日目
フランスか。観光をしたいがその前に継承しているクラスを見ておこうか。こちら側では継承しているクラスが明らかに異なっている。
空港から出ようとすると一緒の飛行機に乗っていた人に話しかけられる。その人は詳細を見ると日本人みたいだ。35歳男性みたい。
「君、こっちは初めてかい」
「はい。そうですが何か問題がありますか」
「海外の暗黙の了解って知らないよね」
彼は優しく僕に教えてくれた。最近の海外は間違われるとすぐに襲撃されるみたいだ。なので単独行動はやめて現地の人と行動しなければならないみたいだ。まあ、僕には関係はないのだが教えてくれた彼はすこしばかりいいだろう。クラスは継承していたけれども。
空港から外に出る。認識阻害のメソッドを使用して街の中を移動していく。街中の人はいつも通り生活しているのだろう。どうやって他の国に移動しようか。それを考えながら継承しているクラスを見る。怪しい物が3つほどあった。内部は隠蔽されていて本体を除かなければならないように感じる。しかし、そのうち1つは見ることができた。これはまだカプセル化するのがあまり出来ていなかったのだろう。試行錯誤して制作されているように感じた。しかし、これだけでも簡単に人は従わせることが出来るようにはなっていた。
「可憐さん、恐ろしいですね」
「そうね。上位のクラスがかなり秘匿化されているのもすこし不思議だわ」
彼女はそう言っていた。移動手段を手にしたので気楽に向かって行こう。国境は残っているがこちらではほぼ審査はない。予定ではドイツから日本に帰宅する予定だ。国境を見てみるのも面白そうだ。
そうしながらも移動していた。
「犯罪が多いみたいで怖いですね」
僕は唐突にそう話した。
「犯罪ですか。今時そのようなことをするなんているんですね。メリットはないのですがというかすぐに捕まるようになっていますし、何より矯正されるはずなのでできる限り少ないはずなのです。そしてもし起こした場合強制的に書き換えられるようになっているのですが」
「そうなんですね。相手はそれを」
「その可能性がありますね。主様が解決しないとこのままだと大変なことになってしまうかもしれませんね」
隣国に入る。ベルギーとの国境を通ったが特に国を超えたという感覚はなかった。そうして、1日目が終わりそうになっていた。特に目当てになるような人物は見えなかった。すこし違う。それだけだけでも知ることが出来て良かったのかもしれない。
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