第27話 観光 其の弐

 かりんさんと街の中を歩いて行く。昼間でもこのような場所に人は多く居る。このような体験なら自宅でもできるけど結局は何事も現実を超えることはなかったみたいだ。労働の対価としてこのような娯楽を求めたのも人間だ。ここに来ている人は頑張っているに違いがないだろう。


「それにしても、いろいろな物があって目移りしてしまいますね」

「そうですね。どれもこれも貰ったら持って行けそうにないですからね。そして、もう正午ですね。おいしい料理を食べることが出来る場所にでも行きましょうか」

 そうして、すこし太陽が真上からずれた頃にお店に入った。どこの店にもありふれた料理を注文する。観光地なのだから特別な物を注文するのもありだけど僕はこれでいい。この料理にも一応名産品と呼ばれる物がついているのだから。

「おいしいですね」

「そうですね。このような場所で食べるといつもと味が変わってる気がしますね」

 そうしてお店を後にした。

 それにしても他の人は何を楽しんでいるのだろう。僕としてはとても楽しいけど他の人は僕よりも遙かにこのようなことで遊んでいるはずだから何をしているのか知りたい。そしてそれを僕もやっておきたいと思う。


「可憐さん、何かしておくべきことはないですか」

「そうですね。おいしい物を食べながらゆっくりすることが一番ですよ。何か遠くから見るだけでもいいですね」

 そうして、なんだかんだありながら楽しんでいた。

 それにしても、あの人とはまだ会っていない。というかもう見ることがしばらくできない気がする。継承しているクラスなどがすべてにおいて不明だったのだから。また、それ以外の情報もなかった。というか表示すらしなかった。可憐さんですら一応見ることはできるのだけれども。あれは、誰だったのだろうか。それが、気になるがまあ、いいだろう。発展状況についてあとで知ればいい。

 

 何か見られている気がする。

「可憐さん」

「少しばかりよくない気がしますね。あまり長居はしないほうがいいでしょう宿に戻られたほうが安心できるでしょう」

「わかった」

 

「カリンさんは、どこかに行きたいところはありますか」

「そうですね。私はもう満足ですよ」

「それであれば何か持ってから帰宅しましょう」

 適当においしそうな菓子を選んでから帰宅することにした。帰宅する際の道は僕が案内する。案内とはいっても可憐さんがすべて案内してくれたけど。限りなく最短ルートで帰宅できるようにと。


「カリンさん楽しかったですね」

「そうですね。あなたの召使いですから」


--訂正--

 これまでは、使用人としていましたが召使いとの誤りです。変更は後日行う予定ですがミスが残るかもしれませんのでここで訂正させていただきたいと思います。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る