第25話 観光地

 それにしても何で彼女は僕のお世話をしてくれるのだろうか。ランクを見れば関係者であることは間違いないのだけれどもここでもミリアが関係しているのだろうか。関係しているのであればどこが関係していたのか知りたい。

「かりんさん。もしよかったら君の家族について教えてくれないかな」

 クラスを見れば分かるが彼女から話して貰えばいいかもしれない。

「家族ですか。はい喜んでお教えしますね。私の父は...」

 彼女のお話はしばらく続いた。彼女には兄弟がおり兄が居ると言うことだった。そしてもうじき結婚もすると言っていた。そして、叔母は僕の父に仕えていたと言うことらしい。結構単純だが少しばかり闇を感じるのは僕だけだろうか。

「それにしてもここは僕が住んでいるところとかなり違うね。街の方には行けないのかい」

「街の方ですか。いけますが少しばかり遠いのであなた様が大丈夫であればいいのですが」

「僕なら大丈夫だよ」

「それでしたら、車の方を用意させていただきますね」

 家の周りを今日も回るだけだったがかなりの敷地で歩くだけで疲れてしまう。まあ、明日のために休むか。


 彼女が部屋に戻り僕は自分自身の部屋につく。

「可憐さん、明日街に行くことになりましたが大丈夫ですかね」

「危険だよ。私としては推奨をしたくはないけど行くのであればあまり人と関わりを持たないようにそして出来れば顔を隠すのがいいね。こまったら私を頼ること。そして最後にかりんに対して信頼するべきか考えるべきだよ」

「かりんさんですか」

「そう、私は信頼しているけど君は何かどこか遠くで彼女を突き放してしまっている。そのところを考えた方がいいかもしれないね」

 僕は彼女に対して信頼しているはずだけど何だろうか。


 かりんさんに起こされる。それでは行きましょうか。

 昔に発売された高級車に乗る。昔の高級車であるが乗り心地は素晴らしい。その車に乗り目的地まで向かう。彼女は運転席に座っていた。しばらく走り続け目的地に到着した。温泉が名物と言うことらしく観光客も浴衣姿で歩いていた。街はこんな感じなのかとなんとなく理解する。

「すこし離れた街ですがここは人気がありいつも人が多いです。もしここで温泉旅館などで過ごしたいのであればお申し出ください。お部屋取りますから」

「とれるんですか。はい、お金の方に関しては心配しなくて大丈夫です」

「いいんですか」

「はい。部屋代は意外と安いですし基本的な生活にはお金はいりませんから。それにお父様のほうからこのようなお金はいただいているので気にすることなんてありませんよ」

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