第24話 クラス

  別荘の周りを探索してみた。綺麗な景色が見えるそれだけで少しだけ楽しい。退屈な毎日とは違いこのような体験をすることが少ないのだから。綺麗な風景は心を落ち着かせると言っていたが間違いではないと確信した。可憐はそこまで見ているようではなかったがまあいいだろう。それにしてもかりんさんは落ち着いていて僕とほぼ同年齢だと言うことを忘れさせられるほど大人びている。


「それにしても、そのような傷があるのに動けますね」

「まあ、それしか取り柄がありませんから。それ以外は聞かない方がいいほどですよよ」

「そんなことはありませんよ。あなた様は私よりも遙かに優れていますから」

 彼女と一緒に歩く。ユカさんのことは忘れてはいないが今は会うことは出来ないのでなんだか良くない気分だが全ては怪我のせい。自分を責めよう。


 それにしても彼女の詳細を見るとレベルが上位にある。権限は持っていないけど継承している物が一般人と異なり僕の家系に非常に近い物となっている。レベルも上位の為彼女は不安要素があったあのクラスは継承していない。その代わり使用人として必要な物がそろったクラスを継承していた。料理や掃除の仕方等などほぼ完璧だ。それ以外は特に目立つことないように見える。


 数日が経過する。これまで使っていたメソッドの使用を停止して新しく見つけた治癒のメソッドを使い始める。痛みが現れて動けなかったけど気合いで動くしかない。あと数日で傷跡のみになる。そしたらこのメソッドは停止しよう。これ以上動かすと負荷が凄いのだから。

 それにしても、戦闘に関することよりも相手に対して使用する物が多い気がする。このような物を簡単に手に入れることが出来たら危ないのではないかと感じる。

「可憐さん、このような物を簡単に使えたら危なくないですか」

「確かに危ないですが、これを使うにはまず最初に権限を入手しなければならなくてそれはかなり難しいのですよ」

「どうやれば使えるのですが」

「私たちのように本家に所属する物または一定の条件を満たす分家であること。また本家または分家の上位の権限を持つ物から譲渡などをされた場合ですね」

「本家と分家ですか」

「主様はお正月など親戚一同自宅に集まっておりませんでしたか」

「集まってるね。そして親戚がお父さんに挨拶をしていたよ」

「それが、本家です。家系の中で一番力を持つのでそのようになっています。そこ代わり少しだけ面倒なことが多いかもしれませんが」

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