第22話 旅立ち

 朝日に照らされ僕は起こされる。昨日のあれに対して報酬として権限が上位のものへと変更された。何が変わったのかはまだ何か分からないが多くのクラスを継承できるようになっているのは一目で分かった。



「しばらくここから離れたところにいる方がいいかもな」

 そう父が言い僕は別荘に行くことになった。1週間程度の短い期間だけどユカさんに会えなくなる。その間は僕は何も出来ない。

「主様、少し気が早いかもですよ。まだこれまでも何もやっていませんしそれに一応私と同じような物が見守っていますので」


 そう言うことで最低限の荷物を確保しておいた。今回の別荘は国内にあるところだ。海が眺めて別荘としてはかなり人気が高い場所だろう。価格も相当な金額で今から手に入れるとしたらどれだけのお金が必要かは分からない。今労働をしてお金を入手することは少ないはずなのにこのような物は変わらないみたいだ。土地は、国の物になっているはずなのに。

 だけどこの家系だけは土地は自分達で保有している。まあ、これもミリアがしたということだが何をどうすればこんなことが出来るのだろうか。


  しばらくして到着した。綺麗に手入れされていてしばらく人が居なかったことも感じることはない。誰とも基本的に会うことが出来ないような場所なのでのんびりとクラスでも調べておくか。

「こんにちはー」

 若い女性の声が聞こえる。父の声と若い女性の声が遠くで聞こえているが会話が所々聞き取れない。何かいい物はないかと探しているとこちらに来た。

 彼女らはメイド服だった。使用人という方々が着ていたと言われている服を見ること自体が初めてだったので少し驚きを隠せなかった。と言うか、今は人が使用人などをすることがない。

「私は、かりん。よろしくね」

「よろしく」


「彼女は、君のお世話をしばらくしてくれる方だよ。彼女の家系はこれまでずっと私たちにの使用人としての関わりがある方だよ。これまで数回会っているけど覚えていないかな」

 父はそう言っていた。

「そんなことが」

「まあ、そのようなことだから、かりんさんよろしくね。それじゃあ、この後予定があるから失礼するよ」

 そうして、父はここから出て行った。この自宅には僕と使用人のみになった。もう一人の使用人は後で挨拶に来た。こちらは本日のみで帰宅するということみたいだ。彼女は、僕との関わりではなく父の方の仕事のお手伝いだったみたいだ。詳しく教えて貰えなかったがそういうことみたい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る