第21話 解決

「それにしても災難だったわね」

「こんなことになるとは思ってもいなかったよ」

 いろいろと話してしばらくは登校しないことにした。そして、しばらく離れたところに行くか聞かれた。僕は、まだいいと言っておいた。別荘に移動ということだけど下手に動くよりはいいだろう。


 可憐が、僕を刺した親友に対してあれをすれば昇格することが出来るかもしれないと。ただそれだけだしかし、体の一部に触れる必要がある。それだけが問題だ。それさえ出来れば後はどうにでもなるのだから。


 翌日の夜中に行動をすることにした。幸いにも体は動く、無理な動きさえしなければ何の問題もないはずだ。それに、体の支援であれば継承しているクラスからいろいろと使えばすぐに治るだろう。使ったら家族に怪しまれるかもしれないけど。そう思いながら使用できるメソッドを眺めていた。しかし、今回使えそうなのは痛覚をコントロール出来る程度のメソッドしか見当たらなかった。回復することは無理なのか。そう思いながら探す。他のクラスも閲覧して存在していることは分かるが使用することは出来そうになかった。


 翌日。空は暗く染まっていた。分厚い雲に覆われ明かりは街灯のみだ。昼間よりは暗いけど何の問題もない。監視から逃れるために今回も裏口を利用することにした。しかし、問題として靴がいつものは使えなかった。白い靴が赤色になっていたのだから。予備の靴をとった。新しい物を注文するか悩んだが履歴が残るので面倒だからだ。少し痛みがあるような気がしたがなんとか抜け出すことが出来た。


 不気味なほど静かな街を歩いて行く。彼がいる場所ぐらい大体は分かる。そして、彼の自宅前に到着した。監視があるので少しばかり注意しなければならない。こっそりと入り、鍵はクラスを書き換え解除した。足跡や痕跡を残さないように静かに行動する。大体どこにいるか可憐さんに確認してもらいながら行動する。彼の部屋についた。落ち着いた感じの部屋で彼はすやすやと眠っていた。罪の意識でもないのだろうか。触ろうとしたとき彼は目を覚ました。僕に対して一撃拳が向かってきて僕の弱点から少し離れた場所に当たった。

「うっ...」

 痛い。急いで、メソッドを使用して痛みをある程度抑える。2回目。少し、手を触れることが出来た。それだけで彼は動きをやめまたすやすやと眠り始めた。僕のお腹はまた赤く染まっていた。

 なんとか自宅まで帰ることが出来た。そして、僕は両親を呼んで親戚に来て貰うことにした。両親にはばれなかったのか、親戚はすぐに見抜いて安静にしておくようにと言うことだ。僕は、ほとんどの不安がない。

 後は朝日を浴びるのを待つだけだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る