第18話 挑戦状

 何事もなく数日が経過した。ここ最近の睡眠不足で少しばかり疲れが出てしまっている。そして彼女は数年前の雰囲気と同じようになっていた。美しい美貌はそのままだけど少しツンと言う物が出ているように感じる。

 本当に昔のようでそして僕にも少し関わりが出てきている。あのときと少しだけ違うけどなんだか懐かしいような気もする。僕があれでこうなっているのだから少し反省をしなければならないかもしれない。


 そんなことがあった。明日から休日。少し楽しみかもしれない。

「メールを受信しました」

 端末にそう一言表示された。今の時代にメールは珍しい。基本はチャットを使うし誰からだろう。


「親愛なる同胞よ。私たちはこの世界の統一を願っている。我々と同じ力を持っているあなたも参加する資格があるはずだ。我々とともに一緒に未来を切り開こうではないか。しかし、断ると言うことははないだろうが愚かな行為で我々の敵だ。返信を待っている」

 不可思議な文章が送られてきた。少しばかり痛いと感じてしまう。

「可憐さん。これは」

「はい、主様。そうですね。これは敵が私たちのことに対して気づいたのでしょう。味方になるのであれば殺さないと言うことで。つまり無視でいいでしょう」

「無視でいいのですか」

「そうですね。それに、そのメールの送信元をたどってみましたが昔の仕組みで送信され特定できませんでした」

「どうして」

「現在は、ほぼ匿名化は不可能ですが昔の技術は未だに使うことが出来ます。昔の技術でも匿名化は難しかったのですが現在そのようなことをする人はいないためこうして匿名化されることもあるのです。今回は、SMTPの脆弱性を使用した物と思われます。現在はメールはほとんど使用されていないのでポートの設定を忘れたところがあるのでしょう」

「難しいけど、とにかく問題があったのだな」

「その通りです」


 街の中にでて可憐と話していた。

「それにしても昔の技術は多いのですね」

「そうですね。現在の技術は過去の積み上げてきた物の延長線上にある物にすぎません。過去の方々に対して感謝をしながら利用していくこと。それがとにかく大切ですね」


 川の方までやってきた。綺麗な芝の上に座る。

「このようなところも時代の流れを感じるかもしれないな」

「主様。ところで何でこんなところに来たのですか。なんとなく悪い予感がしてここまで逃げてきただけだよ。昔はいつも逃げてきたんだけど今思うとどこにいるのかなんてすぐに分かってしまうのにね」

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