第17話
彼女とはほどよい距離感を取ることが出来ている。あんなことがあったとは未だに僕は実感という物が存在していない。可憐もほどよい距離感がまだ必要と言っているので問題はないだろう。
「彼女はまだ完璧にこちらのネットワークに接続することが出来ていない。ネットワークでいうとDMZと呼ばれるような場所にまだ彼女はいます。ほぼコントロールすることは一応は可能ですが、まだ誰だか分からないけどあのクラスが完全に消去することが出来ていません」
「まだ分離は出来ていないのか」
あれからさらに数日が経過したというのに」
「相手の方々が上手なのですね。この世界では管理者権限を持つことさえ出来れば何でも出来ますから」
管理者権限か。
「そういえばクラスの解析はどうなってる」
「それが、ですね。あまり良くはないです」
「というと」
「解析自体は結構進んでいますが。これは、日本向けに作られていて主様が内容を見ることはおすすめしません。一言でいうとあまりにも残虐ですから」
「残虐か」
「そうですね。そして、相手の居場所も大体分かりました。主様がこの存在に対して対処しなければなりません」
「それはどこだ」
「欧州の方面です」
「欧州か」
「そして、良くないことがあります。主様の情報が敵に渡った可能性があります」
「えっ」
「クラスの中に存在するメソッドが敵検知的な機能を保有していることが分かりました。その為、ほぼ確実と言っていいほど主様のデータは渡りました」
「そんな」
「もう、ゆっくりしている時間はないかもしれません。急いで敵を倒しに行きましょう」
「はい。ところで聞きたいのだけど」
「何でしょうか」
「管理者権限を保有している人一覧的な物は見えないの」
「あっ。それは」
「忘れていたんじゃないか」
「いいえ。そんなことはありません。情報取得に少し待ってくださいね」
「はい」
「しかし、忘れないでください。主様の管理者権限はまだ低いことを今襲われても護衛出来るようなクラスはまだ継承しておりませんしインスタンスの生成も出来ません。自分で守ることも考えていてください」
そう彼女に告げられた。確かに僕には何にも持っていない。
「また、夜出るか」
そう決めるしかなった。僕はまだ何も出来ないのだから。
そうして、しばらく夜の繁華街を巡っていた。何か起きないだろうかと。そうして起きた問題を解決していた。可憐曰くあと少しと言うところまで来たがこれ以上は遠くて帰ってこれなくなってしまう。辺りの治安は良くなっているし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます