第16話 繋がり

 彼女を自宅に入れてあげるか。武器に関しては一応持ってこられてしまうかもしれないけど君がすぐに解決すればいい話だ。

 彼女を自宅にあげ僕の家系でしか使えないクラスに存在しているメソッドを実行した。そして、それは待機状態となる。


「君のチャンスは一度しかありません。そのメソッドを使ってキスをするだけ。簡単ですよね主様」

 そんなことをしなければならない。可憐は簡単そうに言っているが少しばかり積極的なことをしたことがないので不安しかない。しかし、ここでは覚悟を決めるしかない。


 彼女を家の中で僕の隣を歩いている。

「主様」

 しかし、僕は覚悟を決めることが出来なかった。時間だけが過ぎていく。彼女には少し前の記憶が存在していないみたいなので変わらずだ。しばらくして、彼女が刃物を取り出してきた。そのタイミングで不意にキスをしてしまった。彼女は包丁を落とし力を失ったように倒れた。

「やりましたね。主様」

「これで」

 罪悪感とともに達成感が入り交じっている。そして、可憐が後はいろいろしてくれることとなり。侑可さんが立ち上がり僕に頭を下げて帰宅していった。静かだった。

「主様が勘違いしないように言っておきます。まず、これは確実に惚れさせることが出来ます。しかし、主様は責任感が強くこの後しばらく悩まないように好感度に関しては現在のままにしておきました。しかし、これでも少しばかりは高いのでこれまで彼女が抱いてきた気持ちだと受け止めてあげてくださいね」

「元から」

「そうですね。主様は元々人当たりもよかったのでこのような評価となっていたのでしょう」

「よかった」

「それに、彼女には恋人などこれまでいませんでしたから」

「それは」


 いろいろと可憐と話せた。少し気分が明るくなった気がした。

「これも、ミリア様の考えなのかもしれません」

 そう、可憐が言い今日が終わった。長い一日だったのかもしれない。


 彼女は数日姿を見ることはなかった。可憐曰くしばらく安静にして貰うことにしていると。彼女に付与されているクラスを剥奪している途中でありそれを解析まで行っていると言うことだからしばらくはまだ時間がかかると言うことだ。なんとなく理解をしていると、ちなみに彼女はもうすぐ家系に入ると言うことで管理者権限を付与されるらしい。しかし、管理者レベルとしてはまだ最低限としていてそれから上限まで上げることが出来るみたいだ。しかし、ミリア様は僕と同様の上限とはしていないと言うことだ。

 ミリア様は女性だが同時に自分の問題点を知っているその為、こんな荷が重いことは男性に任してリードして欲しいと言う考えもあったのかもしれない。ということだ。

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