第12話 波乱Ⅱ

「可憐さんどうしたのそんなに疲れて」

「この子少しばかり大変だったよ」

「何がです」

「いや、主様はまだ知らなくてもいいことだから」

 もうこれ以上は聞かないことにした。

 今日は休日なので僕は自室に戻ることにした。両親は今日も出かけると言うことなので二人っきりだ。何もすることはないので街を2人で遊ばないかと言うことにしようと言うことにした。部屋に戻ると彼女は起きてウトウトしている感じだった。

「おはようございます」

 少し寝ぼけた声は僕のハートをさらに射貫く。

「主様...」

 すこし呆れたような感じでそう言っていた。


「君は帰らなくても大丈夫なの?」

「私は、ここがいい。自宅に居場所なんてないから」

「それじゃあ」


 可憐がそれを遮ってくる。

「端末についてお忘れでしょうか」

「端末」

「端末は位置情報を取得しています。彼女はまだあなたと同じ未成年。あまりよろしくはないかと」

「それはどうして」

「彼女の両親から捜索届けなどが提出された場合はあなた自身が誘拐として操作されてしまう可能性が存在します。なので一旦彼女の自宅に帰宅し確認を取ることが必要でございます」

「それじゃあ、彼女は」

「心配しないでくださいませ。彼女は虐待などはされておりませんので話してみれば問題は無いかと思われます」

 可憐がかなり疲れているように感じる。

「それにしても可憐さんどうしたんですか」

「私はまだ大丈夫」



「侑可さん、ごめんなさい。僕は泊めることに関して何の問題も無いのですが君の両親が心配しているのではないかと思って」

「それって」

「少しは、相談した方がいいかと」

「私が、いるのはだめなの」

「勿論いてもいいのだけど、警察さんにお世話になるのは少しばかり問題があって」

「ふーん」


 すると、可憐がぐたっとした。侑可さんがポケットに手を入れて小さなナイフが出てきた。

 何かの叫び声とともにそのナイフは僕に向かってきた。なんとか回避することができ。左腕を少し切っただけだった。腕から流れる血は服を汚していく。

「あなたなんかいなければいいのよ」

「侑可さん」

 僕の言葉は届かず彼女は向かってくる。単調なので回避はできる。幸いにも彼女はあまり体力がある方ではなかった。

 廊下を走る。使えそうなメソッドが存在していないかいろいろなクラスを確認する。しかし、現在のレベルだと何もない。可憐さえいれば。だけど、侑可さんに愛されているのであれば現実を受け止めるのもありかもしれない。


「それは早いわ」

 可憐さん。しばらくしてまた侑可さんが落ち着く。

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