第11話 波乱Ⅰ
僕は、深夜徘徊していることが多くなった。今はもう、可憐さんも止めてくるほどだ。慣れとは少しばかり恐ろしい物だと感じる。しかしながら平和だ。喧嘩は起きる気配も無い。起きないことに問題は無いけど少しばかり僕はつらい物だ。
「あれ、君は」
僕がベンチでくつろいでいるときに侑可さんに話しかけられた。何故この時間に彼女がここにいるか分からないが僕は憧れの女子に話しかけられたのだから心の中では舞い踊ってしまっている。
「侑可さんですか」
「私の名前を覚えていてくれたの。とてもうれしい」
彼女と少し話す。彼女の話を聞くと少し家から飛び出してきてしまったと言うことだ。
「そんなことなんだけど、今日泊めて貰えないかな。お礼はするから」
「いいですよ」
僕は簡単に答えた。可憐が明らかに呆れているのが分かる。
「勝手に、君はこの子を連れて行っていいのかい」
「大丈夫彼女が言っていたのだから」
「それに、自宅に連れて行っても両親に対して許可を貰っていないでしょ」
「それは...」
「そのようなことを考えてから行動するべきだよ。それじゃあ、ホテルは...」
「今からの時間だと取りにくいのではないかい」
端末を触りホテルを検索する。空いているホテルがある。
「ほらこれとか」
可憐は少し顔を赤くして。
「それなら、自宅に連れて行きなさい。君の部屋は広かったから彼女も過ごすことができるでしょ」
可憐の言うことは基本的に間違いが無いはずなのでそう従うことにした。現在夜1時少し前。
「それにしても、喧嘩ね」
「そう、だけど君に会えて良かった。このままだとどこにも行けずに困るところだったよ。それにしても、君もどうしてここに」
「そっそれは、この夜の街が好きでよくこの時間に来ているんだ」
彼女と会話をしながら彼女の可愛さを再認識する。
そうして自宅に到着した。彼女には静かにして貰うようにお願いしているので大丈夫だろう。彼女には靴を持って貰い僕の部屋に入って貰った。僕の部屋は今は基本的に荷物がない。ミリアさんに片付けをするように言われていたから。
適当な箱の上に彼女の靴を置き僕は、布団を用意した。もう疲れてしまったので先にねることにした。明日は、早めに起こして貰うように可憐に頼んだ。
朝早い時間に起きた。可憐は少し疲れているように感じる。夜に何があったか分からないが今日はすがすがしい朝だ。侑可さんには、昨日の夜説明しているので静かにして貰えたらいいのだけど。
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