第5話 原因
何もできずに1日が終わる。自分自身がなんだか情けなくなるような気がする。こんな力を持っているのにもかかわらず何か起こっていることを知ることしかできない。それも何がされているのかも分からないなんて。僕は、この力に対して過信をしていたかもしれない。
「そんなに、落ち込まなくてもいいわよ。まだここら辺に住んでいる人で被害が出たようなことは管理部門から報告はされていないわけだし」
「それもそうだけど」
「まあ、最悪1人だけは助けることができるからね。君の親友でもいいしそれか気になるあの子でもいいわけだし好きなようにするのがいいと思うわ」
「それも一つの手か
「そう、それに解析が終われば私たちのリソースとして利用することができるから高速化することができるよ。だけど、私たちの家族として1人しか愛せないという決まりがあるらしくてその枠を利用するから注意した方がいいかもしれないね」
「そんなのがあるのか」
「そう、両親と話してみたら分かるかもしれないね」
そう聞いたので、僕は今夜聞いてみることにした。
「あの、この家のことについて知りたいんだけど。結婚の話しとか」
「お前も、そんな年になったのか。それじゃあ、話しをしなければな」
そう言って部屋を移動した。どうやらこの部屋はだめらしい。仏壇がある和室に来た。この部屋でいろいろなことを説明された。そして、ミリアについて出てきた。
「そして、結婚だが」
「我々は、1人の女性しか愛することができない。それは、ご先祖様が決めたことであって私たちが変更することはできない。そのようなことを理解して選ぶんだぞ。それに、私たちには謎の能力があっていい人を見つ安いようになっているらしい。だからお母さんがこんなにいい人なんだ」
そんな感じで熱弁され2時間が経過しようとしていた。僕も、この時間になると流石に疲れが出てきたが、この家のことについてはなんとなく理解することができていた。
そして、終わった。時計を見るのが恐ろしかったのでそのまま睡眠を取ることにした。
「朝ですよ。起きてください」
可憐に起こされ僕はゆっくりと廊下を歩いて行く。
「そういえば昨日の話は」
「えぇ、聴いておりますし記憶のインスタンスの生成をしておりますのでいつでも全てを参照することができます」
「インスタンス?」
僕は、初めて聴いた単語だったのでなんとなく聴いた。
「前説明したような気もしますが説明しておりませんでしたね。インスタンスは、実態という意味です。しかし、今回を簡単に説明しますとお父様の記憶をあなたからアクセスできるようにしました」
「記憶という物は、クラスとしてまとめられ外部の人も参照できるようになっていますがこちらにもアクセス制限と言う物が存在しています。しかし、これは条件が緩く話を聞けばインスタンスが生成され記憶を共有できます。なので、外部の人に話した時点でインスタンスの生成が始まり話し終わった時点でインスタンスを参照することができます。また、記憶は消えることがないように全ての生き物などをまとめてネットワークとしております。そのネットワーク内に記憶させ保有者を指定することにより簡易的なアクセス制限をしているわけです。なので、過去にいた偉人などが何をしたか簡単に参照できるというわけです」
「むずかしいな」
「まあ、これもインスタンスの生成がされ後で知ることもできますよ。また、管理者権限があれば対象となるモノの記憶などを見ることができます」
「それができたらいいな」
そうして、記憶をなんとか呼び出してノートにまとめることにした。彼女曰く現在の技術で作られているモノはミリアが作ったネットワークが確実に繋がっていると言うことで家の倉庫の奥底にあったノートだ。かなりたくさんあったので1冊拝借させて貰うこととした。これを見ると、継承しているクラスは3つのみで問題は無い用に感じる。
「これまでのことを応用すればこれなら複製できるよ」
「可憐がそんなことを言ってきた」
「なんで、分かるんだ」
「これは、ミリア様が使用していた跡があります。全てのノートにです。これは複製の練習および将来秘匿性を確保できるようにと残しておいたのでしょう」
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