第2話 この世界
「君の名前」
「そう、私の名前です」
可憐な感じだからもう可憐でいいかな。と直感的に思った。どうせ夢なのだからできるだけ早く決めよう。
「可憐はどう」
「可憐ですね。素敵な名前です」
時間は過ぎた。しかしこの夢は覚めそうにない。
「あの、この夢はいつ覚めるのですか。こんなの現実じゃないと思うのですが」
「そんなことを悩んでいるのですね。残念ですがこれは、現実です」
「そんなはずは」
「薄々気づいているでしょう。ここは現実であることを理解しているんじゃないかな」
そうして、これが現実であることを確かめ僕はとんでもないことが起きてしまっていることを理解する。
「どうすればこれ外れるんだ。こんなの見せれないよ」
「ええ、それは外れません。しかし外す方法がないわけではないですが今はまだ外すこともできません。話すと長くなりますが。それに、私がそれを他の人には見えないようにすることもできますよ」
「外れないけど、消せるって」
「そうですね。しかし、貴方様は偉大なるミリア様の子孫でありますが故あなた様の家族には見えてしまいます」
「ミリア様ってご先祖の」
「そうです。私たちを作ってくれた方です」
「もういないがこの家のどこかに何かあるじゃないか」
そうして家の隣にある蔵についた。重たい扉を開ける。ここには幼い頃数回来たことがあるだけでそれ以来来ていなかった。そして、基本的にここには入るなと言われていた。いろいろな物があって危険ということだ。幼い頃は怖い物が出るといっていたがいつだったかわすれたけれどもそうして教わった。
「お探し中申し訳ないのですが、そこにある情報は基本的に私たちに保存されています。新しい物なんて無いと思われますが」
「もういない、ご先祖が作ったんだぞ今の科学で解決できるはずだ。それに、こんな不可思議なことがあるものか」
「はぁ。あなた様は本当に疑り深い。その点に関して尊敬はいたしますが私の話を聞いて貰いたい」
「それでは、聴こうじゃないか。お前の話を」
では、始めましょうか。簡単に説明しますので質問してください。補足説明をいたします。
まずは、ご先祖ミリア様。この方についてです。この方は、今も生きておられます。
「はぁそんなことはないだろう。百年以上の前の話をしているんだよ。生きていたら200歳以上だろ」
えぇ、そうなりますね。ですが生きておられます。しかし、私自身では会話はおろかお会いしたことは一度たりともありません。ただ、この世界にいないというだけです。この方がしたこと、それは世界をプログラムで動かすということです。
「どういうことだ」
そうですね、私たちの行動全てをプログラムとして何かするたびにその行動を読み込み動かしているのです。では、試しにそこにあるライトに向かって操作しますか。
"CALL OBJECTACTION NEAR_LIGHT BASE_CMD1 1"
それを使った。するとライトは光辺りを照らしていた。それではオフにしますか。最後を0にして動かしてみてください。
「なんで」
これが、世界がプログラムでできている証拠です。
「と言うか、動かすのが難しすぎるぞ」
えぇ、CUIとなりますと難しいので現在簡易的に操作できるようなGUIの制作を私自身が行っております。あなた様を見た限りそこまで賢そうには見えませんでしたので。
「最後は余計だ」
話しは長かった。理解できたのは最初の部分のみだ。それも完璧ではない。世界はプログラムでできていてオブジェクトを呼び出し動いているということだけを理解した。オブジェクトは何なのかを理解していないがつまりそういうことだろう。そして、僕は世界を救うという使命があるみたいだけど僕にできるものだろうか
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