第33話 強者
サバル 「じゃあな」
太陽が段々と高い位置まで移動し日の光に照らされる中、気を失い横たわっているライトの姿を目障りな眼で見つめ、剣を振り落とした瞬間。
「『
何者かが詠唱した攻撃魔法は真横から目で追えない程のスピードで3本の雷の槍がホタイルの身体に突き刺さる。
ホタイル 「ガハッ!!!!」
サバル 「ホタイル!?な、何者だ!?」
あっという間の出来事でホタイルの身体はビリビリと痺れ耐え切れず横になり意識を失い、サバルは状況を理解出来ずに急いで辺りを見渡す。
「『
焦りながら辺りを見渡すサバルに追い打ちを掛けるように再び、何者かは攻撃魔法を詠唱し立っている地面から広範囲に雷で痺れるように動く事が出来ず跪く。
サバル 「クソッ!!!!何が起きてるんだ!!!!痺れて身体が動かねぇ!!!」
サバルはその場で抵抗も出来ず跪きながら硬直している間にダダダダダッ!と2体の動物が高速で走っている音が雷の槍が飛んできた方向から聞こえ始める。ようやく雷の痺れが緩和されサバルは物音が聞こえる方を顔だけ振り向けると、動物の上に乗っている男女2人がこちらへと向っている最中だった。動物の上に乗っている男性は距離があるものの、背中に背負っている大剣を鞘から抜き攻撃の構えをするがサバルはまだ身体が思うように動けぬままだった。
「私の国で好き勝手されるのは気にくわないなぁ。『私式~!
サバル 「そのシンボル…!!貴様はっっっ!!!」
大剣を背負っている男性は動物に乗りながらサバルに近付いた瞬間に技を素早く繰り出す。攻撃を食らったサバルは斬られ倒れ込むと男女2人が身に着けているマントを見つめながら息を引き取る。
「間に合って良かったですね」
「3人共、無事だな」
———【翌日】
ライト 「助かった…のか…?」
リリア 「う…ん…」
ネイリー 「他の魔人達は…?助かったのか…?」
3人は目を覚ますと、視界には見慣れたブルー村の宿屋の屋根だった。状況が読み込めずマジックベッドの上に横になりながら困惑している間にノックの音が聞こえ顔をドアの方へ振り向ける。
「入るぞ」
3人はマジックベッドの上に座るように痛みが残る身体を起こす。そして部屋に入ってきた見知らぬ人物、高身長でオールバックの髪型をした40歳ぐらいの男性と黒髪でボブヘアーの20代であろう女性を不思議な表情で見つめる。
「目が覚めたか!いやぁ、危ないところだったな」
ライトとリリアは唖然とした表情で見知らぬ人物を見つめている一方、ネイリーは男性の顔をマジマジと見つめ、どこかで見覚えのある顔だな…と考え込むと驚くように思い出す。
ネイリー 「もしかして……叔父上!?」
「ネイリー……」
男性はネイリーの顔を見つめると急に目からボロボロと涙を流し抱き着く。
「本当に…、本当に、お母さんにそっくりで綺麗になったなぁ~~~!!」
ライト 「…このおっさん急に泣き始めて大丈夫か?ネイリーの知り合いか?」
ネイリー 「ああ…。私の亡くなった母上の兄だ。私からみると叔父だな」
男性は大粒の涙をボロボロと零しネイリーを抱き着いていたが、ライトの顔が視界に映ると敵対するように目付きが鋭くなり指を差しながら大声で怒鳴る。
「ネイリー!一緒に冒険しているみたいだが、そこの男とは交際していないだろうな!」
ネイリーは驚いた表情を見せるが、男性を落ち着かせるように返答する。
ネイリー 「ライディール叔父上…。冗談はよして下さい。そのような相手ではないですよ。それに、私には婚約者すら居ないのですから…」
ライディール 「アイリー…いや、お前のお母さんが亡くなってから会いにいかなくてごめんな~~!!!ネイリ~~!」
怒ったと思えば再び泣きだすライディールにライトとリリアは付いていけず硬直をしていると一緒に行動していた女性は呆れたように口を開く。
「ライディール先輩。情緒不安定みたいな人でみんなドン引きしていますって」
女性の発言を気にせずライディールは至福な表情でネイリーの頬と合わせスリスリしていた。
ライディール 「ネイリーは結婚相手は昔から誰だか決めているんだもんな。それを突き通していて、私は嬉しいぞ~~~!!」
ネイリー 「結婚相手…?そんな相手は決めていませんが…?」
覚えのない表情で答えるネイリーにライディールは目を大きく見開き大きな声を出す。
ライディール 「えっっっ!!!!ネイリー、お前が5歳の時、確かに言っていたではないか!」
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