俺、準備するよ!
次俺が目が覚めたのは次の日の朝だった!あれ~こんなに寝るつもりは無かったんだけど一日って早いね。起きたらみんな凄い心配そうにしてたけど、単純に時間間隔を間違えただけだから気にしないで!一人の時は暇だったから何日も寝てた時が有ったからその感覚で寝ちゃったのが駄目だったみたい。
「本当に大丈夫なのか?なんなら出発を遅らせても良いんだぞ?」
「大丈夫~時間を忘れちゃっただけ~」
「時間を忘れちゃったって・・・・」
「あは~」
「そうですか・・・・」
頭をかいて照れてると扉が叩かれてアルベルトが出るとそこにはスウェイが
「皆様、朝食の準備が出来ましたが・・・・おや、クーア様起きられたんですね良かったです」
「おはよ~!」
「はい、おはようございます」
「頂こうか、今行く」
「はい、お待ちしております」
みんなは武器を装備すると、シャールク肩車して貰ってみんな集まる中央の部屋に行くともうみんな集まっていて美味しそうな料理が並んでいた。
「クーア様起きたのかい?良かったよ・・・・」
「おはよ~グレタ、美味しそうだね!」
グレタは俺を見て安心したように、ほっと息を吐くと近くには俺が来た時に案内してくれたもう一人オリスが居た。
「オリスだ~」
「!俺の名前を憶えてくださって光栄です」
「うん、覚えてるよ~2日ぶり~」
「オリスは町の調整役だからね。色々出回ってて会うタイミングが無かったんだよ」
「はい、クーア様井戸を直し大地を復活させていただきありがとうございます!」
「いいよ~」
「それじゃあ、飯としようかい。クーア様は何か食べれないものはあるかい?」
「無いよ~というより食べなくても平気~」
「そうなのかい?食べないと大きくなれないよ?」
「俺は魔力で成長するから関係な~し、でも、この果物は食べたい!なんていうお名前?」
「それは、デーツだよ。甘味がギュッと詰まってしかも味が濃厚なんだ」
「デーツか~食べていい?」
「食卓にあるものは何でも食べていいよ」
「じゃあ、食べる~」
俺は席に着くとウォルが俺の前にデーツを持ってきてくれたので、それを一つ食べるとグレタの言う通り今まで食べた物で一番甘みがある果物だった。ちょっとトロッとしてる蜜が甘くて濃厚だからいくらでも食べられちゃう。
俺が食べている間にウォル達は豪快に肉とかを食べてるけど、俺は断然果物!ゆっくり食べていると、みんな食べ終わったみたい。俺の事を見てるから
「もう終わり~」
「まだゆっくり食べてていいんだぞ?」
「うう~ん、もうお腹いっぱい」
「そうか、シャールク後で市場で買っておいてくれ」
「あいよ~」
ウォルがデーツを買ってくれるんだって!俺別に食べなくても良いんだけど、ウォルがくれるんだったら貰っておこっと。
朝食を食べ終えた俺達は町の市場に出て、皇都へ帰る準備をすることになった。お水とか食べ物とかがウォル達は必要だからその買い物だね。後は鍛冶屋に行ってウォル達の武器を見てもらうみたい。グレタは今日は用事があって案内出来ないみたいだけど、シャールクが市場を把握してるから大丈夫だって。シャールク凄い!
みんなの武器は全員違っていて、ウォルは背中に背負った大きな大剣で重そうだけどウォルはへっちゃらだって。アルベルドは片手剣と体が半分隠れるほどの大きな盾を持っていて、この二つを使って戦うんだって。ウォル曰く鉄壁の防御と素早い剣術が強みなんだって。レイランは長い杖を使っているけど、あれは魔法が使いやすくなるだけで杖で殴ったりはしないみたい。
たまにアルベルドの背中を叩いてるけど、あれは違うのかな?
シャールクはナイフと弓を使って戦う。馬に乗ってる時に見せてもらったけど、凄く遠い場所にある石を移動しながら撃ち抜いていたから凄い!俺も何か武器を持った方が良いのかな?
シャールクは矢を補充して、ウォルとアルベルドは剣を研いでもらって鍛冶屋を後にするとやって来たのはシリアのお店。実は昨日俺が寝ている時にシリアさんが来て時間が有ったらお店に来て頂戴って言ってたんだって。どうかしたのかな?
ウォルがお店の扉を叩くと中からシリアさんが出てきて俺達を見ると
「あら、来てくれたのね嬉しいわ。クーア様もお目覚めになったみたいで良かったわ」
「おはよ~」
「あぁ、それでどうしたんだ?」
「実は、皆さんに私のハーブティをご馳走したくてね」
「おお、シリアさんのハーブティ!」
「それはありがたい、ぜひ頂こう」
俺達はシリアさんに続いて、テーブルに着くとシリアさんがカウンターでハーブティを作り始めた。少し雑談をしながら待っていると、シリアさんが運んできたのは、少し赤い色をしたハーブティで匂いはあまり無いけど何の植物を使ってるんだろう?
「カルカデか」
「えぇ、クーア様にはこの国で馴染み深いものを飲んでもらいたくて」
「飲んでいい~?」
「どうぞ」
飲んでみると、甘酸っぱい味が口の中に広がっていきさっぱりしてるから何杯でも飲めちゃいそう!赤いからどんな味なんだろうと思ってたけど、これ美味しい!
「美味しい~!カルカデだよね?これみんなもよく飲んでるの?」
ウォル達は出されたカルカデがどんな味か分かっているみたいだったし飲んだことあるのかな。
「あぁカルカデはエルヴィラス皇国でよく飲まれてる飲み物だ。健康にも良いし、水分補給として優れているからな」
「カルカデはハイビスカスのガクと砂糖で作れるから簡単なんだぜ。でも、簡単だからこそその人の腕や工夫が出るんだけど・・・・これは甘さがしっかりしてるのにさっぱりしてる・・・・どうやってるんだ?」
「ふふ、それは秘密よ」
「えー」
「うむ、家庭によって違う味だったりするからな」
「私の家では蜂蜜を使って作ってたわね」
ウォル達もカルカデを作ったり飲んだことがあるみたい。それなら旅の間もお願いしたら作ってくれるかな?それなら!
「ね~シリアこのハーブティ交換して~」
「あら、クーア様から貰う事なんてできないわ。皇子に渡しておきますから、好きな時に飲んでくださいね」
シリアは小さな袋をカウンターの裏から持ってくるとウォルに手渡した。昨日作るのを断られた良い匂いの奴を出そうと思ったんだけど・・・・いいのかな?あれ出すとみんな驚いていたけど、驚くってことは多分良いものだと思うんだけど、後でウォルに聞いてみよっと
「それと、クーア様に贈り物があるんですよ。こちらを」
「わぁ!!!!」
シリアが後ろに隠しながら俺の前に見せてくれたものは深い青色をしたお耳が長い可愛らしいぬいぐるみだった。
「俺この動物知ってる!兎って言うんでしょ?」
「そうです、砂漠にも兎は居るんですよ。色はクーア様には青色が似合うかなと思ったので、この色にしてみたんです。どうですか?」
「凄く可愛い!!!ありがとうシリア!!!」
「良かったですねクーア様」
「あぁ兎の可愛らしさがよく再現されてる」
俺はシリアからウサギさんを受け取ると、みんなに見せてあげた後しっかり時間を止めて壊れないようにしておく。つぶらな瞳と長いお耳、尻尾がちょこんとあって俺でも抱きしめられる大きさですごく気に入った。色は深い深い水底のような濃い色をしてるけど、俺この色好き!
「ちゃんと大事にするね!」
「えぇこの子をお願いします」
シリアにお礼を言った後少しハーブティの入れ方について教えてもらい俺達は昨日直した井戸に来ていた。
ちゃんと直したと思うけど念のためにね!
井戸には多くの人が水を汲みに来ており、井戸を汲むたびに俺の名前を言ってお礼を言ってくれるからちょっと恥ずかしい・・・・
俺達が井戸に近付くと、みんな道を開けてくれてウォルに降ろしてもらい自分の足で井戸を見て回ったけど特に異常はないね!
水は浄化し続けてるし、水量も十分。装飾もしっかり復活してるし・・・・そうだ!
「うむ、問題ないようだな」
「一昨日まで枯れていたとは思えない水量ですね」
「さっすがクーア様」
「だが、無理させてしまったからな・・・・」
「ねぇねぇ」
「どうした?」
ウォル達は井戸を見て驚いたり感心したり落ち込んだり忙しそう。ただ喜んでくれれば良いんだけどな~
「この装飾ってどっちが守護竜エルディランと守護竜ヴィラスなの?」
「あぁ、その事か。そういえば、守護竜様のお姿を教えたことなかったな」
ウォルは井戸から少し離れて装飾が見やすい場所まで移動すると
「まず井戸を抱えるようにしている、黄色の体に水色の翼をもつ竜が大地と水の竜であるエルディラン様だ」
なるほど~こっちがエルディランなのか。確かに俺とは全く違う見た目をしてるよね。俺の体は細長いし翼も無いけど、エルディランは体がしっかりしてるし立派な翼を持っている。それじゃあ・・・・
「次に井戸とエルディラン様を包み込むようにしているのが風と火の竜である守護竜ヴィラス様だ」
やっぱりヴィラスか~。ヴィラスは赤色の鱗に所々黄緑色の線が走っている。翼もヴィラスより大きいしトゲトゲしてるね。しかも尻尾が特徴的でまるで剣みたいに鋭い。
「このお二方が我々の守護竜様だ」
「ほへ~凄くカッコいいね!俺と全然違う~」
「そもそも種族が違うから仕方がないさ。それにクーアは可愛らしくて俺はそのままで十分良いと思うぞ」
「俺もそう思います」
「えぇ」
「だな!」
落ち込んでると思ったのか励ましてもらった。別に気にしてなかったんだけど、褒められて悪い気はしないよね!
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